地域の貴重な宝
更新日:2021年8月1日
宮城県北部と岩手県南部に古くから伝わる「南部神楽」は、縁日や例祭に法印たちが集って大祈祷を行い、奉納したのが始まりといわれています。
私が住む地域も昔から神楽が盛んで、秋になると近隣から聞こえてくる神楽のせりふや太鼓の音を、幼少の頃から耳にしてきました。今も機会があれば神楽を披露する場に足を運び、色鮮やかな衣装をまとった舞と、観客を陶酔させる楽が一体となり、人々の心を熱くさせる世界に触れています。
栗原は、多くの団体が活動する南部神楽の宝庫といえますが、最近は、指導できる人や受け継ぐ子どもたちが少ないなどの理由から、活動を休止する団体も増え、その伝承も難しくなってきている面もあります。一方で、南部神楽の価値を後世に伝えるため、若い世代の伝承者たちが新たな活動を始められたという明るい話題も耳にしています。
南部神楽などの伝統芸能は、人から人へ繋いでいかなければならない地域の貴重な宝であり、子どもたちが誇りに思える伝統文化もまた、地域の貴重な宝であると感じています。
豊かな美しい栗原と同様に、伝統文化も明日を担う子どもたちのためにしっかりと引き継いでまいります。
2021年8月1日 栗原市長 佐藤 智
【写真】若手で活動する神楽団体 神友楽