小・中学生の部【審査員奨励賞】蝉/内山 芽泉
更新日:2023年2月10日
受賞作品を、原文のまま掲載します。
編集の都合上、すべて横書きにしています。
注:敬称略
蝉/内山 芽泉
今年もまた暑い夏が君たちを連れてくる
一、二、三、二十…
目視で数えるだけでも凄い数
庭の木に蝉がたわわになっている
夏限定の騒がしい木
変な表現がぴったりな我が家の木
君たちは他の木には目もくれず
約束をしたかのように集合し
会話をしているようだ
なんだか修学旅行の私たちと重なって見える
久々に嬉しくて眠れない
楽しくて心が躍る
会話が弾んでとまらない
飛んで騒いでみたくなる
案外 蝉も人も変わらないのかも
窮屈だった分 寂しかった分 苦しかった分
きっと楽しめる きっと喜べる
優しくいれる
そんな気がする
ちょっと青春っぽいな
青春ってさ
大人が子供を見て使う言葉だと思ってた
けれど違う
もしかしたら私たちは今
青春のど真ん中にいるのかもしれない