【特別賞】ある日のこと／小野寺 龍汰

受賞作品を、原文のまま掲載します。
編集の都合上、すべて横書きにしています。
注：敬称略

原文はこちら

ぼくは田舎に住んでいる
ビルも何もないド田舎
ある日学校の帰り道
猫がこっちを見ていた
近づいて「わっ」とするが
なぜかにげない
なんとなく
僕がのこした給食の小魚をやった
凄い勢いで食べている
「またね」と家に向かった
猫がついてきた
ぼくは猫を飼えない
「ごめん！！」と走って家に帰る
次の日なぜか家の前にいた
「くるなよ―」と思って
走って学校に向かった
授業中も猫が気になった
そして今日も小魚を残した
猫にあげようと思った
しかしその日からあの猫に会うことは
二度となくなりました
ある日のこと学校の帰り
あの猫が道路で寝ている
あぶないなあと思って
猫につんつんした
けれど起き上がらない
僕は察っした
車にひかれたらしい
涙が止まらなかった
ぼくはふと自然の大切さに気付いた
そして家の近くの土にうめた
「ごめんね」と