第22回 一般の部 最優秀賞受賞者寄稿を読む
更新日:2022年1月28日
第22回「白鳥省吾賞」を受賞して
井上 尚美(第22回 一般の部 最優秀賞 受賞者)
寄稿文のお便りを戴いて、受賞時からもう一年が経つのだと喜びの日々を振り返っております。正賞に続き、この賞に携わった栗原市の皆さんの温かい心が詰まった副賞が届いた時の感動は一生忘れる事は無いでしょう。ただコロナ禍で表彰式が中止になった事は今でも残念に思っています。と言うのも、以前息子が栗原市に在る会社とご縁があって、栗原市のことを色々伺っていた事が応募動機の一つでもあったからです。コロナが収束したら是非訪ねてみたいと思っています。
私は長いこと詩を書いて来ましたが、この賞を戴き一番の喜びとした事は三人の審査員の批評の言葉でした。何度も何度も読み返しました。書き続けていく上で、生きる上で尊い助言となって私の中にあります。
そしてもう一つ嬉しかった事は、受賞作品を読んだ或る詩人からのお便りでした。その方は長い間難病と闘っていて、このように書かれていました。
「この詩に出会えて良かった。長い間自分の心の置き場所が見つからないでいたが、この詩を読んで新しい気持ちが湧いてきました」と言うものです。私はこのお便りから私の方こそ「このお便りに出会えて良かった」と言う気持ちになりました。励ましを戴いたのです。一篇の詩が自分を励まし、もう一人の誰かを励ますとしたら、これこそ詩人白鳥省吾の目指した「人間愛」ではないかと、この賞に心から感謝するものです。
受賞時戴いたご本『白鳥省吾の詩とその生涯』の中にある「生活の行進曲として自分自身の詩を持つべきである」の言葉を、私の応援歌として、これからも書き続けていこうと思っています。
コロナが収束して栗原市を歩く日の近い事を願いながら担当者の方々に感謝いたします。