小・中学生の部【最優秀賞】はじめての海/蜂谷 杏琉
更新日:2022年1月31日
受賞作品を、原文のまま掲載します。
編集の都合上、すべて横書きにしています。
注:敬称略
編集の都合上、すべて横書きにしています。
注:敬称略
はじめての海/蜂谷 杏琉
なみうちぎわに立ってみると
前からおそってきた つめたい海の水
なみが引く時とけていく かかとのすな
「おまえをのみこんでやるぞお」
って、言っているみたい
おとうさあん
おくまで行けばなみは来ないって言ったって
こわくて行けないよお
入りたいな、でもこわいな、
やめようかな、でも入りたいな、
もうパニックになりました
おとうさんがひっぱってくれたうきわ
うん、だいじょうぶ、こわくない
おとうさんといっしょだと楽しいぞ
一人でおよげるようになったわたし
なあんだ、わたしっておよぐたつ人だ
そこにあらわれた大きな口のなみ
ひっくりかえってのみこまれたあ
しんじゃうって思ったとき見えた 海の中
すながただよっていて海草がながれてる
うきわのおかげでおぼれなかったわたし
いのちのおんじん
海のしおでしょっぱい口の中
キンキンするはな
スースーする目
おかあさあん
かおをふいて、ちいんとはなをかんだタオル
なんてあったかくて気もちがいいんだろう
いつもはんこうきのお兄ちゃんが
ひさしぶりにえがおになった
わたしもみんなも えがおになる
今日はみんなのえがおいっぱいの一日
とってもすてきな はじめての海