4ページ  栗原市消費生活専門相談員の三野宮さんと伊藤さんに、私たちの身の回りで起こる消費者トラブルの対策やポイントについて話を伺いました。 栗原市消費生活専門相談員 三野宮 きくみ(さんのみや きくみ)さん 伊藤 幸子(いとう さちこ)さん 暮らしを守るお手伝い  県や市には、商品やサービスなどの消費生活に関する苦情や問い合わせを無料で相談できる、消費生活相談窓口が設置されています。  日々発生する事業者と消費者との契約トラブルなどの相談を受け、状況に応じて解決のための助言や情報提供、場合によっては事業者と消費者の間に立ち、トラブルの解決に向けたあっせん交渉を行います。  また、社会のデジタル化により、手続きなどの利便性が向上している一方で消費者トラブルが多様化していることから、被害事例や傾向、正しい情報を知ってもらい、被害を未然に防ぐための啓発活動も行っています。  日頃から市の広報紙やセミナー、テレビや新聞などから最新情報を収集し、事前に手口を知ることで、被害を未然に防ぐことにつながります。 日常的な契約  私たちが普段何気なく行っている買い物。この買い物も実は契約です。「この金額で売りたい」という販売業者の意思と「買いたい」という消費者の意思が合致すれば、契約が成立したことになります。スーパーマーケットやコンビニで買い物をすること、バスに乗ることもすべて契約です。  契約書、印鑑やサインは証拠を残すためのものですが、たとえ口約束であっても契約は成立したことになります。口約束だから大丈夫と気軽に思わず、契約する際には内容をよく確認して慎重に判断すること、不要な場合は、はっきりと断ることが肝心です。 ささいなことでも相談を  高齢者に多いと思われがちな消費者トラブルですが、社会経験が少ない若者にも増えています。「簡単にもうかる」といった甘い言葉や、不安をあおる言葉は危険です。「断り切れずに契約をしてしまった」、「聞いていた話と違っていた」といった相談が寄せられています。  また「少額だから」、「面倒だから」などの理由で、相談を諦めてしまう人が多いため、被害の実態が表面化しません。  相談窓口に相談する場合は、できるだけ被害者本人が相談してください。本人が難しい場合は、許可を得た上で家族や周囲の人が代わりに相談しても構いません。  相談する際は、関係書類を手元に用意し、どのような商品・サービスをいつ、いくらで契約・購入したのか、どのようなやりとりがあったのかなど、状況を整理しておくと、相談がスムーズに進みます。  少しでも疑問に感じたり、不安に思ったりすることがあれば、一人で悩まず気軽に相談してください。早めの相談で早期解決につながります。 写真 ▲市役所ロビーで行った消費生活パネル展 相談窓口 商品やサービスの契約などの相談を受け付けしています。 全国共通の電話番号「消費者ホットライン」 電話188 県民サービスセンター消費生活相談窓口 場所:宮城県栗原合同庁舎1階 電話23-5700 相談日時:月曜日から金曜日(祝日・年末年始を除く)午前9時から午後4時 栗原市消費生活相談窓口 場所:築館ふるさとセンター1階 電話22-1501 相談日時:月曜日から金曜日(祝日・年末年始を除く)午前9時から午後4時 5ページ 【特集】知って防ごう!消費者トラブル こんなトラブルにご用心! 消費者トラブルから身を守るには、事例や対策を知ることが大切です。見守りや相談で被害を防ぎましょう。 皆さんから寄せられた消費者トラブル情報は、今後の被害防止に生かされます。 【電気通信サービスのトラブル】  「電話料金が安くなるので、光回線からアナログ回線に戻しませんか?」と事業者から電話があった。  料金を見直す良い機会と思い契約したが、高額な手数料とサポート料金が引き落とされ、解約を申し出たら、高額な違約金を請求された。 【対策】 ・契約する前に、事業者名や料金を含む契約内容を必ず確認しましょう。 ・必要ないと思ったら、はっきりと断りましょう。 ・契約後は、すぐに書面を確認しましょう。 ・契約してしまっても、一定期間内であれば無条件で解約できる場合もあります。 【定期購入トラブル】  健康食品が特別価格500円で買える広告を見て注文し、商品が届いた。1カ月後、何も頼んでいないのに同じ商品が3,000円で届いた。よく確認すると「定期お届けコース」に申し込んでしまっていた。返品し、定期購入を解約したい。 【対策】 ・1回限りと思っていても、契約内容をよく見ると定期購入になっている場合があります。購入時は隅々まで契約内容も確認しましょう。 ・購入前に返品の可否・返品送料の有無などの条件を必ず確認し、納得してから注文しましょう。 注意 ・通信販売には、クーリング・オフ(一定期間、無条件で申し込み撤回や契約解除ができる法制度)はありません。 セミナー  集会や会合に消費生活相談員が出向き、消費者トラブルの予防・対策を説明します。 ●い・ど・う市民セミナー 対象:おおむね10人以上の人が参加することが見込まれる集会等を主催する市民 申し込み方法:開催希望日の1カ月以上前までに「い・ど・う市民セミナー申込書」に記入し、各総合支所市民サービス課または、市政情報課に申し込みください。 問い合わせ先:  企画部市政情報課 電話22-1126  各総合支所市民サービス課 い・ど・う市民セミナーの内容は、ユーチューブ栗原市チャンネルで公開しています。 URL https://www.youtube.com/c/KuriharacityJp_miyagi ●みやぎ出前講座 ~消費者トラブルに遭わないために~ 開催日:月曜日から金曜日(祝日・年末年始を除く) 問い合わせ先:  宮城県栗原合同庁舎1階 県民サービスセンター 電話23-5700  月曜日から金曜日(祝日・年末年始を除く)午前9時から午後4時  ※詳しくは、問い合わせください。 被害にあわないための6か条 1 いらないときは、はっきりと断る 2 契約する前に家族や友人に相談する 3 契約書は、内容をよく確認する 4 押印、サイン、口約束など、同意する時は慎重に行う 5 うまい話には安易に乗らない 6 自分は大丈夫!と過信しない 地域ぐるみで被害を防ぐ  日々多様化、巧妙化する消費者トラブル。自分だけではなく、家族や友人など大切な人が巻き込まれる可能性もあります。トラブルや被害を防ぐには、周囲の人の協力が不可欠です。地域ぐるみで被害の未然防止に努めましょう。