4ページ 平成16年Iターン 野外教育指導者 塚原 俊也(つかはら としや)さん(栗駒耕英) 日々の営みを通じて生きる力が輝く場所  野外教育活動について学ぶため、神奈川県から栗駒耕英地区に移住し、自然環境への興味や関心、生きる力を育む支援・指導を行う仕事を始めてから20年。見知らぬ土地に一人でやってきた私は、同じ仕事をする栗原出身の妻にこの地で出会い、3人の子どもに恵まれました。  耕英は、第二次世界大戦後の開拓によって生まれた地区で、栗駒山がすぐ目の前にそびえたつ、とても自然豊かな場所です。冬は厳しい寒さに見舞われますが、こうした土地だからこそ、自分自身が持つ生きる力を育むことができます。  今の時季は、雪を活用した体験プログラムや、暖房用の薪割りなどで全身を動かし、自然と共生する暮らしを営んでいます。大変なこともたくさんありますが、地域の皆さんに教わりながら、自分の頭と体でさまざまな工夫をするからこそやりがいがあり、大きな達成感や喜びを味わえるのが、ここでの暮らしの醍醐味(だいごみ)です。  私たち家族の生き方が、地方への移住を考えている人、新しい生き方を模索している人にとって一つのモデルケースになればうれしいです。 体験を通じた魅力発信  これまで、主に子どもたちを対象にした自然体験学習や、冒険教育、山村生活体験などを実施し、市内外を始め、海外からも多くの人たちに参加してもらいました。  今後の目標は、市内全域をフィールドとした滞在型の体験活動やエコツアーを実施していきたいと考えています。各地域にある豊富な資源を生かして豊かな体験を提供することが、その人の生き方に良い影響を与えるきっかけや、栗原に関わり続けたいという人たちを増やすことにつながるのではないかと思います。  これからも家族と共に、耕英地区や栗原での暮らし・生き方を開拓しながら、魅力を発信し続けていきます。 写真 ▲〔後列〕塚原俊也さん、〔前列左から〕康平(こうへい)さん、和歩(かずほ)さん、健太(けんた)さん、茉衣子(まいこ)さん 5ページ 【特集】移住で発見! 栗原の魅力 令和2年Iターン 地域おこし協力隊 長谷川 唯(はせがわ ゆい)さん(築館宮野上町) 人の温もりに触れて  私は、東京都で生まれ育ちました。子どものころから社会や理科の授業が好きで、大学時代は自然地理学を専攻していたのですが、そのときにジオパークの活動を知り、いつかはそれに関わる仕事をしたいと思っていました。  そんなとき、栗原市が栗駒山麓ジオパークの専門員として活動する地域おこし協力隊を募集していることを知りました。  東京を離れたことがなかった私は、栗原へ移住することに期待と不安どちらの気持ちもありましたが、移住支援を担当する市の職員が親身になって話を聞いてくれたので、決意することができました。  また、移住後には、地域の人から声を掛けてもらったり、野菜やコメをおすそ分けしてもらったりと、人の温かさに心癒されることも多くありました。 栗原出身ではないからこそ  栗原へ移住し、地域おこし協力隊になってから4年。さまざまな活動を通じて栗原の魅力に触れることができたと感じています。  市内の食材を使用した食品を認定し、食を通して栗原の自然や文化などを伝える取り組み「栗駒山麓のめぐみ」では、栗原産の食材が持つ魅力を知りました。  また、栗駒山麓ジオパークの魅力を発見してもらう講座には、市内外から多くの参加がありました。受講した人からは「地元に住んでいても知らないことがあり、学んだことを家族に伝えたら喜ばれた」という声がありました。この出来事がきっかけで、栗原出身ではない私だからこそ伝えられることがあるのだと気付き、以前にも増して積極的な情報発信を意識するようになりました。  地域おこし協力隊の活動を続けるほど、地域を盛り上げるために取り組みたいことが、あれこれ思い浮かんできます。  私の第2のふるさとである栗原の魅力を、栗駒山麓ジオパークを通じて多くの人に知ってもらえるよう、これからも頑張っていきます。 写真 ▲栗駒山麓ジオパークビジターセンターで働く長谷川さん ▲ジオパーク講座でのフィールドワーク ▲イベントでの認定商品などの販売 移住をサポート!支援制度あれこれ  市では、移住を後押しする支援制度や、相談業務を実施しています。 支援制度 ●お試し移住生活体験事業 地方移住を検討している人が、田舎暮らしを気軽に体験できるお試し移住体験住宅を用意しています。 ●住まいる栗原ホームサーチ事業(空き家バンク制度) 空き家の売買または賃借を希望する所有者からの申し込みを受けて登録した空き家情報を、居住したい人へ提供する制度です。 ●住まいる栗原空き家リフォーム助成事業 住まいる栗原ホームサーチ事業に登録された空き家を購入または、3年以上借りた人がリフォームする場合に、工事費の一部を助成します。また、市内の事業者を利用した場合などは、助成額の上限を加算します。 ●若者定住促進助成事業 市内に転入または多世帯同居を目的に住宅を新築・購入・増改築した場合、借入金の一部を助成します。 移住相談  地方移住や都市と田舎の二地域居住など、新しい暮らし方を模索している人の相談窓口を開設し、各種支援制度に関する相談を受け付けています。対面の他、オンラインにも対応しています。 さらに詳しい支援制度をウェブサイトでチェック ●市移住定住サイト「きてみらいん くらしたい栗原」  URL https://www.kuriharacity.jp/welcome/index.html 何気ない日常の中に  広大な栗原の豊かな自然、そこに暮らす人たちの優しさや温もり。何気ない日常の中には、こうしたきらりと輝く栗原ならではの魅力があり、今この時も全国各地の誰かや、市内に住んでいる人たちがそれらを見つけているかもしれません。  栗原へ移住した人たちの視点や思いを手掛かりにしながら、皆さんもふるさと栗原の暮らしを見つめ直してみませんか。