4ページ  志波姫地区で、オレンジカフェ いちごの花を運営している佐々木さんに、運営のきっかけや、カフェに懸ける思いについて話を伺いました。 オレンジカフェ いちごの花 オーナー 佐々木 千鶴子(ささき ちづこ)さん ほっと一息つける場所  私は、5年前から地域の人たちが気軽に交流できる場所として、コミュニティカフェを運営しています。オレンジカフェを併設したのは昨年からで、地域包括支援センターから声を掛けられたことがきっかけです。  介護をする人の中には、家族だからこそ相談できない、家とは別の場所や、非日常的な空間でゆっくり話をしたい、という人もいるかと思います。  介護をする家族や当事者が孤立することなく、カフェという非日常的な空間で、お茶を楽しみながら話などをして、ほっと一息ついてほしいという思いがあり、オープンを決意しました。 地域の輪を広げる  私は、嫁ぎ先と実家の介護を10年ほど続けていましたが、カフェを運営してみて、私自身が介護をしていたときに、オレンジカフェのような場所があったらよかったな、と思ったことがあります。  当時は、自分の心に余裕が持てず、周囲の人に当たってしまったり、ふさぎ込んでしまったりすることがあったからです。  運営当初は、認知症当事者や、介護をする家族とどのように接すればいいのか、コミュニティカフェと両立できるのかという不安がありましたが、みんなが楽しく活動したり、おしゃべりをしている様子を見ると、力をもらえ自然と笑顔になります。  これからも笑顔と笑い声が溢(あふ)れ、人と人のつながりや、地域の輪を広げていけるようなカフェの運営を続けていきたいです。  オレンジカフェを利用している、加藤さんに話を伺いました。 妻が認知症と診断されて  6年前、私の妻は、若年性のアルツハイマー型認知症と診断されました。  私が定年を迎え、これから夫婦二人でゆっくり過ごせると思っていた矢先のことで、私も妻も認知症に関する知識が、ほとんどありませんでした。また、周囲にも情報が少なかったので、困惑したことを覚えています。 オレンジカフェでの交流  自宅で介護をすることを選んだ私は、本やインターネットなどで自分なりに知識を得ていましたが、それだけでは分からないことがたくさんありました。  そんなとき、地域包括支援センターから、認知症当事者や家族が交流する場所、オレンジカフェがあると紹介されました。カフェに参加することで、介護をする家族の話や、認知症について聞くことができ、情報共有や息抜きをすることもできました。 自分事として考える  認知症になっても、その人には変わりありません。認知症になった本人の意思と向き合いながら、より良い介護を続けるためには、介護をする人の心の余裕と体の健康が大切です。  認知症は、高齢者だけの問題ではありません。私の妻のように、若い人でも発症する可能性はあります。ある日突然、家族の介護に関わるようになるかもしれません。  また、介護をするのは女性、という印象を持つ人もいるかもしれませんが、決してそうではありません。ぜひ、男性にもカフェに参加してもらい、介護について考えるきっかけにしてもらえればと思います。  認知症に関する知識は、いざという時に役に立つので、まずは足を運んでみてください。認知症について知れる場所、オレンジカフェに。 5ページ 【特集】オレンジカフェで広がる輪 くりはら オレンジカフェマップ オレンジ色ののぼりが目印! 番号 名称 開催日・時間 場所・問い合わせ先 1 オレンジカフェ マロンかふぇ 月1回 土曜日 午前10時~正午 若柳字福岡谷地畑31-15 電話24-7095 2 オレンジカフェ 六日町 年2回 火曜日 午前10時~正午 栗駒岩ケ崎六日町21-2 電話49-1565 3 こもれびカフェ 清水沢 開催見合わせ 栗駒八幡清水沢66-1 電話45-6305 4 オレンジカフェ『アクア』 開催見合わせ 高清水影の沢38-35 電話24-8870 5 おれんじかふぇ こっから 毎月 第3土曜日 午前10時~正午 鶯沢南郷中日照67-1 電話24-8512 6 オレンジカフェ CARE(けあ)★STA(すた) 開催見合わせ 金成中町西裏15-4 電話24-8456 7 オレンジカフェ ひよっこ 毎月 第1土曜日(5月は休み) 午前10時~正午 金成片馬合根岸111-1 電話44-2046 8 オレンジカフェ いちごの花 年6回 日曜日 午前10時~正午 志波姫新沼崎187-1 電話090-8252-6669 9 オレンジカフェ『どんぐり』 月1回(4月から11月まで) 午前10時~正午 花山字本沢合道46-5 電話090-2991-3251 ※栗駒地区のこもれびカフェ清水沢(3)、高清水地区のオレンジカフェ『アクア』(4)、金成地区のオレンジカフェCARE★STA(6)は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催を見合わせています。  再開する際は、市ウェブサイトでお知らせします。 認知症と共に生きる  将来を見据えたとき、老いは誰もが必ず直面する問題です。その中で、認知症と向き合う可能性は誰にでもあります。いつそのときが来るかは分からず、自分はまだ大丈夫、若いうちは無関係と考えてしまう人も多いのではないでしょうか。  認知症は、高齢化とともにメディアで取り上げられる機会が増え、広く知られるようになりました。身近な病となり、共に生きるための知識と周囲の人の理解が、重要になってきています。もし、自分や家族、地域に住む仲間が認知症になったとき、どうしてほしいか、自分は何ができるかを考え行動することは、住み慣れた地域で暮らし続けるための手掛かりになります。  オレンジカフェは、認知症の人もそうでない人も、一緒に集える場所です。まずは、身近な人を誘って、カフェに参加することから始めてみませんか。 認知症サポーターキャラバンマスコット 「ロバ隊長」