2009年(平成21年)3月16日発行 第66号 被災者と共に復興を願う日々  岩手・宮城内陸地震は、栗駒耕英地区の温泉宿泊施設「いこいの村栗駒」で料理長を務めていた高倉吉雄さん(栗駒耕英)の仕事と生活の場を奪いました。  家計を支えるため一時は市外での就職も考えましたが、家族と地域を守るため、栗駒文字荒砥沢地区の「さくらの湯」で臨時の調理師として働くことを決めました。  チョウザメ料理が話題となった同施設は震災で大打撃を受けましたが、高倉さんの料理の評判を聞きつけ客足が戻りつつあります。高倉さんは耕英地区特産のイワナと大根料理を品書きに加え、地元を応援したいと考えています。藩政時代に仙台藩領で最高品質と伝えられる文字地区の幻のそばを復活させる夢を経営者らと語り、耕英と文字料被災地の復興を目指し、被災者同士で支えあいながら歩んでいます。 目次 岩手・宮城内陸地震 2ページ 今月の目玉 3ページ くりはら研究所だより 4・5ページ きょうどうの広場 6ページ 学校きょういくの窓 7ページ 特集 8~11ページ 報告 12~14ページ 話題今くりはら 15ページ 市からのお知らせ 16~18ページ 情報あれこれ 19ページ 休日急患診療当番医 20ページ 市内の文化財散策 46 青野遺跡 奈良時代の家の跡を発見 所在地 築館青野  青野遺跡は標高約37メートルの河岸段丘上に位置する古代の遺跡です。防火水槽設置工事に伴い、1月から2月にかけて発掘調査を行いました。  遺構には、地面を掘りくぼめた竪穴住居跡と呼ばれる古代の家の跡が2棟あります。どちらも大きさが3.5メートルほどの小型のもので、カマドは北側に造られていました。  特に保存状態が良好だった住居跡では、食器の須恵器坏と、カマドの近くから煮炊きのための土師器甕と呼ばれる遺物が出土しています。カマドは側壁や天井の一部が確認されました。この家のカマドは竪穴住居跡の内部に黄褐色粘土を張り付けて造られており、火を用いた跡が残っていました。ちょうど昔の家の土間につくられたカマドと似ているものです。竪穴住居跡の外側にはトンネル状に穴が掘られ、先端部分は深くくぼんでいます。家の中で煮炊きをした煙がこのトンネルを通って外に排出される構造になっています。確認された家の跡は、出土遺物から奈良時代のものと考えられます。  今回、約100平方メートルの調査で2棟の家の跡が近接して確認されたことから、調査区の周辺にはさらに多くの家の跡があると考えられます。 問い合わせ先 教育部文化財保護課 電話42-3515