• くりはら研究所だより第98号
  • 2015年4月1日(水曜日)発行

シリーズ ジオパーク22.

第8回栗駒山麓ジオガイド養成スキルアップ講座を開催しました

2月24日(火曜日)/市民活動支援センター

 栗駒山麓ジオパーク推進協議会では、ジオガイドのさらなる知識の向上を目的とした講座を開催しています。
 今回は、栗原の平野部にスポットをあて、「縄文海進(じょうもんかいしん)」と呼ばれる現象について学びました。

講師紹介

画像:講師の松本教授 講師に東北学院大学教養学部 松本 秀明(まつもと ひであき)教授を迎え、「縄文海進と栗原の平野部の特徴について」と題して講座を行いました。
 松本教授は、地形学(自然地理学)を専門分野としており、低地の地形形成や地表環境の変遷などを研究されています。

講座のねらい 

 栗原市には、沖積平野(ちゅうせきへいや)と呼ばれる河川の堆積作用で作られた地質年代としては新しい標高の低い土地が広がっています。
 内陸にも関わらず、最も標高が低い場所として5メートル程度しかない場所があり、この場所に、縄文海進と呼ばれる現象がどのように影響したのか、また、沖積平野の形成過程などを学びました。

講座の内容

画像:ホワイトボードを使った海面上昇と堆積土砂の関係を解説する様子 「縄文海進」とは、縄文時代に現在よりも海面が2、3メートル高くなり、日本列島の内陸部に海面が入り込んできた現象です。氷河期には、海岸線が現在より約50キロメートル沖合にありましたが、地球の温暖化とともに海面の上昇が進み、海岸線が内陸部(登米市石越や大崎市田尻蕪栗沼付近)へ進入してきたとされています。また、「海面低下を伴わない平野の拡大」や「海沿いの平野の拡大は海面が上昇していた時期にも存在した」とキーワードを示した丁寧な説明がありました。
 18人の受講者は、積極的に質問しながら興味深く講座に聞き入っていました。

栗駒山麓スノートレッキングツアーに参加しました

3月1日(日曜日)/栗駒山 裏沢スノートレッキングコース

ツアーの概要

 栗原市観光物産協会が主催したこのツアーは、冬の栗駒山を舞台として、花山山岳会とくりはらツーリズムネットワーク、栗駒山麓ジオパーク推進協議会が連携して行われ、県内外から13人の参加がありました。

コース案内

 栗駒高原オートキャンプ場から、県道42号線のスノーシェッドを乗り越え、ハイルザーム栗駒へ向かって沢沿いを真っ直ぐ下る、この時期ならではの2時間のコースです。
 栗駒山麓ジオパーク推進協議会ガイド部会員の花山山岳会 太宰 智志さんから、雪原を歩く際のアドバイスを受け、全員で準備体操を行い出発しました。トレッキングの途中に、木々や植生に関する解説もあり、湿っぽい雪が降るものの、風は微風で歩きやすく、恵まれた天気でした。

ツアーの特色

画像:真っ白な世界を歩く一行 スノーシュー初体験の方も無事に歩きとおすことが出来ました このトレッキングの魅力は、普段は見上げる高さのブナの木々の高さと同じ目線になれることで、道路沿いにある雪避け用のフェンスから県道を見下ろしたり、スノーシェッドの上を
乗り越えたりと、普段出来ないことがたくさんあります。また、参加者全員でふかふかの雪に飛び込むなど、その楽しさを一緒に体験しました。 
 昼食は栗駒耕英岩魚丼、その後に温泉入浴と心と体がホッとする素敵なツアーであり、冬のシーズンでしか楽しめない栗原の大きな魅力のひとつであると感じました。

第16回くりはら長屋門研究会くりはら観光塾

地域の暮らしと歴史を学ぶ

2月26日(木曜日)/築館地区

 今回は築館地区のお宅を訪問し、長屋門の活用と地名の由来など、地域に根ざした文化を学んできました。

大場 尚治(おおば しょうじ)氏宅の長屋門

 八沢地域の大場家は歴史ある農家として昔は「庄屋(しょうや)」と呼ばれ、築100年以上経過している長屋門には、昭和34年ごろまで多い時で6人の使用人が寝泊まりし、農作業などをしていました。当時、20町歩を超える稲作と養蚕、炭焼きなど大規模経営の中、使用人に年間7、8俵の米を年俸として支払い、特に炭焼きに関しては専門の職人がおり、燃料不足の時代には各地から炭を買い付けに来ていました。

築館八沢地域

画像:大場氏宅の長屋門の説明を聴いている様子

 昔は八沢地域には、家が7軒あり、「八沢7軒」と呼ばれていましたが、現在は100軒を超える集落となっています。また、この地域は地名のとおり、沢が多く、きれいな水が湧き、水が豊富だったことから人が住む場所として適していました。昭和20年代の台風の際には一晩に450ミリを超える大雨の影響で、沢が川のようになった話など、災害にまつわる話もしていただきました。
 長屋門は、現在の場所へ母屋を移築した際に建てられ、風除けと物置小屋として有効に活用しています。

望月 省一氏(もちづき しょういち)宅の長屋門

 萩沢地域の望月家も歴史ある農家で、移築前にも長屋門があり、昔は造り酒屋も営んでいたことから、住み込みで働く使用人がいました。また、明治時代ころには、現在の家の前で豊富な水量を利用し、水車を使って1年中米つき作業を行っていて、当時は登米市からも馬に乗って米つきに来ていた農家もありました。

築館萩沢鬼ヶ崎地域

画像:望月氏宅前の水車を確認している様子

 地名の由来として、この地域は武烈天皇(第25代天皇)にまつわる伝説があり、天皇が東征行幸の際に駐泊した場所とし、王様の庭の先(王庭先(おおにわさき))という言葉が変化したなどさまざまな説があり、また、新幹線の線路を境に、北側を「北小沼」、南側を「南小沼」と呼び、水害に見舞われた際は、田が沼のようになり、米が1反から1俵しか取れない時期もあったなど、地名と災害に関するお話もしていただきました。

最後に

 約3年に渡り、長屋門にまつわる地域の暮らしなどを調査研究してきましたが、今回をもちまして活動を終了します。今後は、この研究成果をジオパーク構想や着地型観光の事業で活用します。ご協力ありがとうございました。 

観光資源の光「農家民宿」

 市内の農家民宿2軒のうち、平成26年11月10日に金成地区にオープンした「農家民宿ファームインかわせみ」を紹介します。

 市では平成21、23年度のくりはら観光塾で、農家民宿をテーマにした講座を開催してきました。その講座で、農家民宿に興味を持ち、農家民宿を開業された多田 清子(ただ きよこ)さんに話を聞いてきました。

開業のきっかけ

画像:裏山に「カワセミ」が飛んでくるので、民宿の名前になりました 農家民宿に興味があり、退職後に何かしたいと考えていた時に、くりはら観光塾で農家民宿の講座が開催されることを知り、参加したことが開業へと繋がりました。栗原市で生まれ育ち、たくさんの自然の中を散歩して、癒されてきました。都会の方にも栗原市の豊かな自然に触れてほしいと思い開業しました。

参考にしたこと

 平成23年度に開催された、くりはら観光塾「農家民宿・レストラン開業支援講座」で配布された資料や講座で訪問した農家民宿を参考にしました。

今後の展開

画像:室内にはいろりがあります 宿泊のお客様には、周辺の里山散策や郷土料理を一緒に作るなど、体験を提供していきたいと考えています。例えば、田植え体験をしたお客様には稲刈りの体験もしていただいて、栗原のお米を味わってほしいです。たくさんの方に栗原に来ていただいて、栗原を満喫してほしいです。

 

  • 定休日 月曜日・火曜日、年末年始、農繁期 ※3日前まで要予約
  • 問い合わせ先 ファームインかわせみ 電話42-2194

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