• くりはら研究所だより第37号
  • 2009年12月16日(水曜日)発行

資源の魅力シリーズ2 近代化産業遺産 その2

写真:夫婦の愛情伝説が残るかもじ坑

 今回紹介するのは、「かもじ坑」です。一見すると崩れた小さな廃坑ですが、口伝いに語られた伝説があります。『細倉鉱山史』によると、 ―昔、若い夫婦が細倉で採掘を始めたが、なかなか鉱脈に当たらず、幾年月かが過ぎた。夫は疲労と絶望でくじけそうになったが、やめてしまっては今までの苦労が水の泡になると、妻は、自分の黒髪を根本から切ってかもじ屋に売り、その金で米や味噌を買い、せめてかもじで買った米があるうちは掘り続けてと涙ながらに励ました。勇気づけられた夫は、沈んだ気持ちを取り直して採掘を始め、ついに鉛の鉱脈を掘り当てた。かもじを売ってまで掘った坑道の話と夫婦の愛情をしのび、この坑道を「かもじしき」と呼ぶようになった。
 かもじとは、髪を結ったり垂らしたりするときの添え毛、足し毛のことです。
 伝説は、小規模な家内工業で採掘から製錬まで行っていたころの話。採掘方法は、鎚とたがねを使って自らの手で採掘するのは、大変な苦労だったと想像できます。
 かもじ坑は、市民バスの細倉荒町バス停留所から、荒町不動明王の前を通り過ぎて川沿いの曲がりくねった上り坂を500メートルほど進むと、右手側の川向に見えてきます。
 夫婦の愛情物語の伝説が、この小さな坑道に今でも残っている由縁でしょうか。

資源調査で観つけた小さな光

ねっけ豆

写真:ねっけ豆

 先日、くりはら研究所が協力している「みちのく街道・交流人口創出のための6次産業創出プロジェクト」の「奥州街道ガイド養成講座」で金成宿本陣跡から有壁宿方面へ旧街道を歩きました。
 昼食は、若柳・金成商工会女性部の皆さんが作ったおにぎりや芋の子汁、漬物など。街道の話でワイワイと盛り上がりながら食べていると、市外の参加者から「この料理は何ですか?」と質問がありました。それは、女性部の皆さんが、自分達の賄いにと用意していた「ねっけ豆」でした。
 「美味しい」とねっけ豆が話題になりました。
 ねっけ豆は、練って作ることから由来すると言われ、ねっけい豆や豆ねっけいと呼ぶ人もいます。
 田植えの時の小昼やお茶うけ、子どものおやつにと、地元の人々にはなじみがありますが、若い世代だと意外に食べたことがない人が多いようです。
 実は、私もそのうちの一人で、もっとたくさん食べたくて、自宅に戻ってからレシピを手がかりに作ってみました。
 ねっけ豆は、青大豆を煮て、その茹で汁に米粉を入れてダマにならないように丁寧にかき混ぜて作ります。白いトロミは、米粉を使います。
 いかにも米どころ栗原の地元食だと感心しました。

【活動レポート】観光活動支援

第4回みやぎグリーン・ツーリズムネットワーク栗原大会

 宮城県内のグリーン・ツーリズム実践者約150人が参加し、栗原市を会場に2日間にわたって土地のチカラの観つけ方や生かし方を交流しながら学びました。

 この大会は、みやぎグリーン・ツーリズム推進協議会(会長 佐々木重信氏)の主催で、県内のグリーン・ツーリズムの普及、啓蒙活動を目的に毎年開催地を移して開催しているものです。
 栗原大会では、市内の協議会会員を中心に市内実践者で実行委員会を結成して、大会を開催しました。
 くりはら研究所は、実行委員会に事務局として参加し、大会全般の企画の調整を担当しました。
 大会のテーマは、市民のまで(丁寧)な暮らし、営みから流れる「くりはら時間」の中にある自然、生活、産業などすべてが土地のチカラであり、その魅力を観つけ輝かせることを目指して設定しました。このテーマに基づき、3部構成で大会を開催しました。

写真:宮口教授

 第1部は、基調講演とフィールドワーク。
 基調講演では、宮口教授から対極にある都市の価値を知り、そして農山村の価値を認識して、地域のオリジナルな価値をつくりだすことや、農村風景や町並み・食・人のワザ・田舎の人々の懐の深さなどの地域資源を複合的に活用して、田舎のツーリズムとして実現していくべきという話をしていただきました。
 フィールドワークでは、実行委員やくりはら磨き隊の案内で栗原の土地のチカラを探しました。 

写真:フィールドワーク

 第2部は交流会。えび餅
などの餅料理、沼えびのおむすび、レンコン料理などの地元食が並び、小さな旅の話題を持ち寄って交流しました。
 第3部は、「こたつdeフォーラム」。お茶っこ飲みする雰囲気を演出するため、会場にズラリとこたつを並べて、講師も参加者もこたつにあたりながらの面白いフォーラム。
 くりはら研究所から、活動の紹介を通じて地域資源を丁寧に観ることの大切さを発表しました。

写真:フォーラム

 「こたつdeトーク」では、コーディネーターと4人のパネリストに土地のチカラをそれぞれの専門からの見方、生かした方を討議してもらいました。
 地域にないモノゴトを無理に作りだすのではなく、埋もれている資源を掘り起こして、活用することが大切という話の流れでした。
 さらに、本大会をきっかけにして、市内の実践者が何らかの形でネットワークをつくり活動しようという呼びかけが実行委員長からありました。
 今後の活動につながる収穫の多い大会でした。

<大会の概要>テーマ「くりはら時間 観つける、土地のチカラ」
【第1部】基調講演「風土、文化そして地域資源」
  • 日時 12月3日(木曜日)午前10時30分から午前11時30分
  • 場所 この花さくや姫プラザ
  • 講師 早稲田大学 教育・総合科学学術院長、文学博士・教授 宮口 とし廸 氏

フィールドワーク「くりはら時間の小さな旅」

  • 日時 12月3日(木曜日)午前11時40分から午後5時
  • 場所 市内7コース
【第2部】交流会
  • 日時 12月3日(木曜日)午後6時から午後8時
  • 場所 割烹 千鳥
【第3部】こたつdeフォーラム
  • 日時 12月4日(金曜日)午前10時から正午
  • 場所 この花さくや姫プラザ

こたつde発表「観光のススメ くりはら田園観光都市創造事業」

  • 発表 くりはら研究所

こたつdeトーク「観つける、土地のチカラ」

  • コーディネーター みやぎグリーン・ツーリズム推進協議会県南部会会長 笠原 新一 氏
  • パネリスト
    温泉ビューティ研究家、気候療法士 石井 宏子 氏
    秋田県仙北市農家民宿 星雪館 門脇 富士美 氏
    文化庁文化財部記念物課文化的景観部門文部科学技官 鈴木 地平 氏
    大会委員長、若柳地区グリーン・ツーリズム研究会会長 小野寺 敬 氏

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