• くりはら研究所だより第31号
  • 2009年6月16日(火曜日)発行

資源の魅力シリーズ1 奥州街道 その12

写真:生活感のある沢辺宿の路地

 今回は、宮野宿を抜けて沢辺宿、金成宿へと歩いてみました。国道4号を北上し、国史跡伊治城跡や二迫川沿いの田園地帯を抜けると沢辺宿に入ります。
 沢辺宿は、街道に沿った東西に細長い街で、町屋作りに宿場の名残を残しています。路地がいくつもあって、南側に抜けると三迫川の河川敷があり、水辺で遊べる公園があります。路地を北に抜けると、街道からは見えなかった大きな蔵や畑があって、人々の暮らしが感じられます。 
 沢辺宿から金成宿への道は、付け替えされた新しい道です。廃線になったくりはら田園鉄道の線路を渡り、源氏蛍せんべい本舗の看板を右手に見ながらまっすぐに北へ向かうと金成宿に入ります。

写真:金成ハリストス正教会の前の路地

 宮野宿から金成宿は、約8キロメートル、歩いて約2時間の距離です。
 藩政時代の金成宿は、三迫川一帯を治める代官所があって、米・人・金が集まる栗原最大級の宿場だったそうです。街道沿いの家や商店は、風情のある日本建築の建物が多くあります。
 街道から西側の路地に入ると、金成ハリストス正教会や金成小学校跡の金成歴史民俗資料館、日枝神社、本陣跡地にある金成公民館などの見所があったり、町を一望できる場所もあって、楽しい散策ができました。

資源調査で観つけた小さな光

カエルの合唱

写真:長屋門カフェの窓際の席

 新緑の季節が過ぎ、木々の緑が深まってきました。田んぼの苗は、水面を覆うように、青々と力強く成長しています。
 さてこの季節、栗原をにぎやかにするのがカエルの合唱。田んぼの近くに住んでいると、早朝から「早く起きて!」と言わんばかりの音です。少し田んぼから離れていると、コロコロと何とも心地良いかわいらしい音にも聴こえます。
 先日、ある音楽家が一迫のカフェを訪れたときのお話。夕暮れ時の室内に聴こえてくるのは、カエル達の鳴き声だけ…。オーナーは「何か素敵な音楽を用意しておけば良かった」と思いながら、音楽家に食事を用意したそうです。でも、後から届いた音楽家の手紙には、「おいしいお料理と響き渡るカエルの鳴き声、帰りにはおぼろ月に見送られて…。とても贅沢な空間を味わうことができました」と書いてあったそうです。オーナーが嬉しそうに話してくれました。
 カエルの鳴き声も、ステキな演出になるのですね。
 私達の暮らしは、自然が奏でるたくさんの音に包まれています。シトシトと降る雨の音は、子守唄のように心地よい眠りを与えてくれます。野山に響く小さな鳥たちの鳴き声は、ゆるやかな時間の流れを教えてくれます。小川を流れる水の音は、涼しげな空間を演出してくれます。
 暮らしのなかにある音を意識して、ステキな時間を過ごしたいですね。カフェに訪れた音楽家のように。

【活動レポート】くりはら食ツーリズム研究会

身近な「食」を地域の魅力に

 くりはら食ツーリズム研究会では、調理実習や勉強会を通じて、栗原の食材の種類や特性、栗原に伝わる郷土料理、家庭料理の種類や調理法などを研究しています。

食の魅力を観光に

写真:ゴマをすり鉢でするメンバー くりはら食ツーリズム研究会は、平成20年度から始めた事業で、旅の楽しみの一つ「食」をテーマに、郷土料理や地域の食材を調理実習や勉強会で研究しています。
 料理や人とふれあうのが大好きなメンバー13人が、毎回賑やかに活動しています。

ハレの日の「餅」
写真:草餅をつくるメンバー

 平成20年度は9回の学習会を開催しました。
 最初にメンバーが注目したのが、お正月やお盆などの年中行事、子供の誕生祝いや結婚式などのお祝いごとなど「ハレの日」に餅を食べる栗原の食文化。地域によってその種類も食べ方もいろいろありますが、特にメンバーが興味をもったのが、栗駒を中心に三迫川流域で昔から食べられていた「ふすべ餅」でした。ドジョウでお餅という、栗原でも食べたことのない人が多い、特徴のある餅料理です。『くりはら研究所だより』第26号で紹介している「ふすべ餅」の作り方は、講師の千葉つる子さん(栗駒猿飛来)からメンバーが学んだものです。

研究成果を披露
写真:らっきょうの皮をとるメンバー

 学習会での実習だけではなく、早速、その活動の成果を披露しています。
 栗原のファンづくり、顧客づくりとして市外の人を対象に会員を募っている「くりはら輝かせ隊」の交流会を昨年度、栗原、東京それぞれで開催した際、メンバーが餅料理を中心に、栗原の食材を使った料理を振る舞いました。
 料理の仕方だけではなく、器の使い方や出し方を工夫したり、参加者とメンバーが会話することで、よりその魅力を参加者に伝えることができたようです。

互いに伝えあう食の魅力
写真:メンバーが作ったタケノコと小女子の煮物

 平成21年度はハレの食に加えて、季節に応じた土地の食材を使った普段の食事である「ケの食」に視点をあてて、旬の料理や保存食などを研究しています。
 4月は、ハレの食に草餅やぼた餅、ちらし寿司、ケの食は葉玉の酢味噌和えやコゴミやウルイを使った山菜料理を作りました。6月は、ハレの食としてごま餅、くるみ餅、納豆餅、ケの食は旬のタケノコの料理を作り、保存食としてラッキョウの甘酢漬けを作りました。
 こうした調理実習で、料理の仕方をみんなで学び、作った料理を食べながら昔の食べ方や料理の仕方などを話し合い、次の学習会の予定を相談しています。
 栗原には恵まれた自然環境が育んだ多くの食材と、人々の知恵と工夫が生み出した調理法や保存方法といったワザがあります。それは「栗原の普段の生活に隠れた暮らし方の魅力」です。
 土地にある食材を使い、それぞれの家庭で工夫されてきた食。季節の移り変わりや行事の持つ楽しさを、あまり難しく考えず、気軽に普段の生活に取り込んでいけるように、今後も研究を進めていきます。

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