• くりはら研究所だより第29号
  • 2009年4月16日(木曜日)発行

資源の魅力シリーズ1 奥州街道 その10

写真:明治天皇御野立所跡

 今回は少し道を戻りまして、第四回で紹介した「力石」から第五回で紹介した「赤坂」の間にある坂道で、『奥州街道増補行程記』(東洋書院)に「はた織坂」と記載されている築館八沢に残る奥州街道を紹介します。
 力石から北に向かう力石坂を上りきると、「明治天皇御野立所跡」の石碑があります。小高い丘の上なのでとても眺めが良く、一休みをするのに最適な場所です。

写真:はた織坂

 この石碑から少し西に向かい右手に下る長い坂道は、「はた織坂」とよばれています。
 道の途中で脇道(私有地)があり、間違えないようにはた織坂を道なりに下り、二本目の標柱を過ぎると、正面に国道四号と東北自動車道が見えてきます。
 はた織坂の由来は、いくつにも折れ曲がって続いている坂道を「はたおり」に見立てたという説があるようです。

写真:国道四号につながる手前の標柱

 宿場町の間の人里離れた道、秋に歩けば虫の音が聞こえてくるのかも。そんな想像をしながら、街道・古道歩きは、感性を高めて楽しみましょう。
 街道はこのまま国道を横断し、旧国道四号に合流して第五回に登場した赤坂へと続きます。

 

資源調査で観つけた小さな光

直売所は知恵袋

写真:直売所

 市内にはたくさんの農産物直売所があります。会員が持ち寄った採りたての野菜、手づくりの漬物やジャムなどの加工品が売られています。その他にも、花の苗、種芋なども並びます。
 野菜の形や色など、眺めるだけでも楽しい空間です。
 先日、市内の直売所を訪れた際のこと。「葉玉」と書かれたネギのようなものが売られていました。初めて見る野菜です。根の方は真っ白でつやがあり、葉は太めのニラのようです。ネギよりもやわらかい香りがしました。
 その野菜を眺めていると、直売所のお母さんが「何だか分らないの?」と話しかけてくれました。そして、少し芽が出た玉ねぎを持って来て、「春になると、こんな風に芽が出てくるの。それをこの辺りでは、また土に入れてやるの。葉が伸びてきたら、みそ汁に入れたり、酢みそで和えたりして食べるのよ。」と教えてくれました。
 直売所のお母さんたちとの会話を通して、それぞれの野菜の植える時期や育て方、また、一番おいしくなる旬やおススメの食べ方を知ることができます。
 直売所のお母さんにとっては、特別なことではないのかもしれません。でも、その当たり前に営まれる暮らし方が実は地方のもつ価値、そして、栗原の魅力なのです。
 直売所のお母さんたちは、地方の暮らし方の「アドバイザー」で、さらに、栗原の魅力を伝える「コミュニケーター」なのだと感じた出来事でした。

【活動レポート】第3回くりはら観光塾

都市との交流で磨く地域の魅力

 都市の人々との交流から、地方が得られるものとは。
 栗原で地方暮らしを体験した草野さんの感想と、過疎問題や地域づくりなどを研究している宮口教授の講義で、30人の受講者が学びました。

  • テーマ 都市との交流で磨く地域の魅力
  • 日時 3月19日(木曜日)午後7時から9時
  • 場所 花山石楠花センター
発表「地方暮らし体験から考える」

写真:草野さん

青山学院大学4年 草野 未希 さん(東京在住)

 都会の若者に地方暮らしを体験してもらう「地域づくりインターン」事業で、栗原に2週間滞在したことをきっかけに、友人や知人を誘って栗原に何度も訪れている草野さん。彼女が感じる栗原の魅力はイベント的な体験ではなく、一生懸命に、自信をもって生きている人々から話を聴くことだったそうです。
 「栗原に行くというよりも栗原の人に会いに行く」、「町中にもモノづくりなど地方ならではの暮らしに根付いた魅力がある」などの感想を話してくれました。
 栗原での体験で地方の暮らしを学び、その価値観を都会の生活で持続するには何をしたら良いのか考えるようになり、自分が成長できたと感じたそうです。

講義「風土、文化 そして地域資源」
写真:宮口 氏

早稲田大学教育・総合化学学術院長 教授・文学博士 宮口 とし廸 氏

 社会地理学・地域論が専門で地域づくりインターン事業の提唱者の宮口教授からは、日本の農村の原型は、家のすぐ後ろに山があり、前の平らな土地には水田があり、栗原でも九州でも同じような風景があること、しかし、国内外には土地に頼れない地域があり違う文化があることなど、その違いを知ることで自分の地域を知ることの大切さを教えていただきました。
 外部との交流で地域の存在価値と資源に気づき、さまざまな協働が育つことや、他人に空間・資源を共に使ってもらうことがツーリズムなど、多くの助言をいただきました。
 最後にくりはら田園観光都市の創造は先進事例になりうる取組みで、他に学びさらに磨きをというエールをいただきました。

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【活動レポート】第4回くりはら観光塾

観光まちづくり

 観光とまちづくり、栗原と他の地域の取組み事例から、その考え方を18人の市民が学びました。

  • テーマ 観光まちづくり
  • 日時 3月28日(土曜日)午前10時から午後3時
  • 場所 一迫ふれあいホール、一迫真坂の街中

発表「花の観光地と街歩きの取組み」 フィールドワーク「一迫ふらっと散策」

発表「花の観光地と街歩きの取組み」
フィールドワーク「一迫ふらっと散策」
写真:一迫ふらっと散策

町おこしユリの会 広報部長 黒澤 征男 氏

 毎年、約2万人が訪れる「南くりこま高原一迫ゆり園」は、テレビ番組で「何もない町」と紹介されたことに奮起した地域の若手が、20年前から始めたまちおこし・地域活性化の取組みです。さらに発展+的な活動として、街中のガイドにも取り組んでいます。こうした経緯や活動内容などを、広報部長の黒澤氏に発表していただきました。
 発表後、黒澤氏のガイドで街歩きを楽しみ、その魅力を体験しました。

講義「元気な人から始める観光まちづくり」
写真:岩崎 氏

財団法人日本交通公社 研究調査部 主任研究員 岩崎 比奈子 氏

 多くの地域に携わってきた岩崎氏から、草津温泉や伊香保温泉などの事例、特に「人」にスポットをあてて紹介していただきました。
 栗原では、市民が身近な所で自分が好きなこと・人に紹介したいもの・こと、自分が取り組めること、他の人にお願いすることを探し、行政は理念の再確認と周知をという助言をいただきました。

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