• くりはら研究所だより第40号
  • 2010年3月16日(火曜日)発行

資源の魅力シリーズ2 近代化産業遺産 その4

写真:まるで煙突のような通気口

 細倉山神社(ほそくらさんじんじゃ)から鉛川(なまりがわ)沿いに山あいの坂道を5分ほど歩くと、少し開けた場所に「二貫目立坑(にかんめたてこう)」と言う坑道跡があります。
 現在は立ち入り禁止ですが、地表から突き出た2本の通気口が近くにあり、筒に手をかざすと空気が流れているのが分かります。
 さらにこの道を奥に進むと、昭和40年代まで「大土森鉱山(おおどもりこうざん)」として営業していた大土ケ森(おおどがもり)へと続きます。
 大土森鉱山には従業員の社宅や小学校があり、ここで人々が生活していました。

写真:雪解けを待つ細倉鉱山

 鉛川沿いの道を歩いていると、鉱山の名残をとどめる建造物があちこちにあるのが分かります。
 坑道跡はもちろんのこと、山の斜面に沿って走るパイプ、コンクリート製のレトロな橋。鉱山の小さな面影を探しながら歩くのも楽しいものです。
 今は人気(ひとけ)がなく少し寂しく感じられますが、春になると道沿いにはカタクリが紅紫色の花を咲かせます。特に細倉山神社付近には、群生していて見事だそうです。
 雪が積もっていて今は奥までは行けませんが、春になったら草花を眺めながらトレッキング感覚で歩くのを楽しみにしています。

 

【参加者募集】くりはら観光塾

写真:講師の石田氏

 全国の農漁家民宿・農家レストラン、農園、産直店などを100件以上訪ね親交を深めている石田氏を講師に迎え、各地の事例を通じて都会の人々が求めるツーリズムを熱く、楽しく語ってもらいます。
 なお、今回は「くりはらツーリズムネットワーク」設立総会の記念講演として開催します。

  • 日時 3月21日(日曜日)午後2時20分から3時30分
    午後1時から午後1時30分 受付
    午後1時30分から午後2時10分 くりはらツーリズムネットワーク設立総会
    午後2時10分から午後2時20分 ティータイム
    午後2時20分から午後3時30分 くりはら観光塾(記念講演)

  • 場所 市民活動支援センター多目的室
  • 内容 講義「どうぞ、お構いなく/あるがままの田舎の魅力」
    講師 グリーンツーリズム研究家、田舎ナビゲーター 石田 磬(いしだ けい)氏

  • 申し込み 3月19日(金曜日)までに、くりはら研究所へ申し込み

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【活動レポート】観光活動支援

150年前の栗原の食復活プロジェクト

「江戸時代の料理を再現」という魅力的なテーマで展開するプロジェクト。一年間の活動をレポートします。

写真:出前授業の様子

 若柳の農家・千葉家が所蔵している古文書の中に、一冊の料理本がありました。それは、150年前の江戸時代に書かれたもの。
 このプロジェクトは、その料理本の解読と料理の再現を通じて地域を見直すきっかけにし、食育や地域活性化につなげていくことを目的に始まりました。
 メンバーは、商工会、飲食店、料理や歴史の愛好家、栄養士など地元の人々に加えて、県外で活動するNPOで構成し、くりはら研究所もメンバーの一員として参画しています。
 来年度までの2カ年事業で、一年目は、財団法人トヨタ財団の助成を受けています。活動内容は、古文書の解読から始まり、料理の再現、試食会、小学生や一般の人々への講習会など。
 まずは本の解読から。題名から想像できない料理、不明な材料が多くあって、歴史研究家の指導を受けたり、地元の人々に聴き取りしながら、約2カ月かけておよそ160品を現代語に訳しました。
 感心したのは、調理方法はもちろんのこと、調味料の作り方や食材の保存方法、食べ方まで書かれていたこと。当時の知恵や工夫がたくさん詰まっていました。そして、材料に米や野菜だけではなく、魚介類が多く使われていたこと。歴史的な背景を踏まえながら、当時、若柳の水運が盛んだったことが現実的に感じられる楽しい研究でした。
 レシピには、仕込んでから食べられるまで約4カ月も必要な気の長いもの、「本当に食べられるの?」と思うものもありました。仮説をたてては実証という作業を何度も繰り返して、36品の料理を再現しました。
 料理を再現してからは、試食会に講習会、さまざまな会に招かれての講演や発表、小学校での出前授業など、地域の人々に伝える活動をたくさん行っています。
 昔の料理の再現を通じて、人と人とがつながっていき、地域の成り立ちを考えたり、よく理解できるきっかけに―。そんな価値がこのプロジェクトにはあるように思います。
 来年度は、料理を再現しながら、活動をまとめたレシピ本の作成などの活動を展開していく予定です。

「150年前の栗原の食復活プロジェクト」のページに移動する

リレー随筆 市民が綴る栗原の魅力

第二の故郷「栗原」

くりはら輝かせ隊 草野 未希(くさの みき)さん
写真:草野さん

 私は、現在東京で働く社会人1年生です。私と栗原とのつながりは、大学生時代に参加した国土交通省主催の「地域づくりインターン」事業がきっかけです。
 インターンでは、農家民宿「たかまった」に宿泊し、地域のさまざまな魅力ある資源に触れました。
 それは、これまで東京で育ってきた私にとって、今までの感覚とは違った不思議な魅力あふれるものばかりでした。
 皆さんにとっては何気ないことかもしれませんが、広がる田園風景、とれたて野菜の郷土料理、住んでいる家、商店街のお店…。
 そこには、何かしら地域や生活、歴史に根付いたものを感じる瞬間があり、それを地元の人に語ってもらう時間が、私にとってはお金では買えない貴重なことでした。
 なにより栗原の「ひとびと」が私にとっての魅力です。
 これまで栗原には「栗原の人に会いたい」という気持ちから、友達を連れて7、8回訪れています。
 何度訪れても新しい発見があり、自分の考え方や価値観が少しずつ変わっていくので、今の私があるのは栗原のおかげと思っています。
 いつもあたたかく迎えてくれる栗原は、私の第二の故郷です。

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