• くりはら研究所だより第21号
  • 2008年8月15日(金曜日)発行

資源の魅力シリーズ1 奥州街道 その3

写真:大きなイチョウの木やモクゲンジの木に囲まれた奥州善光寺

 「高清水宿本陣跡」から北へ約600メートル、徒歩で8分ほど進むと、街道沿いの丘の上に「奥州善光寺」が鎮座しています。
 「奥州善光寺」は、サクラやイチョウなどの木々に囲まれた朱塗りの御堂です。
 諸説はあるようですが、現在の御本尊は銅製の阿弥陀如来立像です。鎌倉時代中期に御前立ちとして鋳造されたものとされ、藩政時代以前から多くの人が参詣に訪れています。
 御堂の前にある「モクゲンジ」は、別名を「栴檀葉の菩提樹」といい、黒く硬い種子が数珠を作るのに適しているとのこと。そのため、お寺に植えることが多いそうですが、東北地方では珍しい樹木です。

写真:モクゲンジの葉と種子

 街道は歴史的な建造物や風情を感じるだけではなく、植物のもつ物語も教えてくれます。
 秋になったら、モクゲンジの種を拾い、数珠を作ってみたくなりました。
 「奥州善光寺」から北へ約3キロメートル、徒歩で40分程進むと、美しい沢田と緑の木々に被われた緩やかな丘陵地帯を通ります。その一帯を「福塚」といい、藩政時代には一里塚があり、この塚を過ぎた所に小宿があったそうです。
 奥州街道の往来を考えるとかなり賑わったのかも知れませんね。今ではすっかり道路が整備され、小宿の面影を見ることはできません。一里塚も平らに整地されています。

写真:福塚の曲がりくねった坂道

 でも、一里塚跡から見える緩やかにカーブする上り坂に、何となく街道の風情を感じます。「どこが?」と思われるかもしれませんが、一里塚跡で一休みして、「さて登るか!」といった気持ちになる、昔の旅人はそんな感じで歩き出したのではないでしょうか。
 現代の真っすぐな道と違って、曲がりくねった登り坂は昔を想像しやすいような気がします。街道歩きは、想像しながら思いを巡らせる、何かを発見したくて探検した子どものころのワクワク感が蘇ってきます。

 さて、「福塚」から約1キロメートル、徒歩で15分ほど歩くと「力石」にたどり着きます。この「福塚」から「力石」までの道が、街道ファンに人気のある奥州街道跡です。

観光見聞 市内の観光の動きに注目!

4人の女性が“今”の栗原をPR

「蓮の花咲く栗原、ゆらゆら巡り」
写真:明治時代から続いている若柳地織の工場を見学する参加者

 きっかけは、「里で暮らす私たちに、何かできることはないかしら」という思い。
 岩手・宮城内陸地震から約1カ月半。「栗原の素敵な空間を市外の皆さんに伝える、それが私たちなりの復興になるのでは」と考えた栗原が大好きで、人と話すのが大好きな4人の女将が集まって、小さな「おもてなし」のイベントを企画しました。8月5日(火曜日)、7日(木曜日)の2日間、新聞などを見て応募した24人のお客様を案内して、栗原を巡りました。
 企画したのは、農家民宿「有賀の里たかまった」女将の千葉静子さん、蓮クラフト作家の山谷信子さん、「いちはさま紙芝居一座」座長の高橋千賀子さん、「長屋門Cafeいわさき花門」オーナーの千葉惠子さんの4人。
 参加した方々もですが、何より企画した皆さんが生き生きと楽しそうに「栗原自慢」をする姿が印象的でした。

コース
  • 伊豆沼でハスを観賞
    写真:長屋門を題材にした創作紙芝居
  • 若柳地織「千葉孝機業場」見学
  • 「有賀の里たかまった」で昼食、「蓮のクラフト」の鑑賞
  • 「長屋門Cafeいわさき花門」で紙芝居を観賞、コーヒータイム
  • 市内の直売所買い物

資源調査で見つけた小さな光

藍こぎ

写真:藍の葉を茎からとるおばあちゃん達

 8月初め、栗駒文字にある日本最古の染色技法「正藍冷染」の体験施設「愛藍人・文字」に立ち寄りました。駐車場で車から降りると、今まで嗅いだことのない匂いが漂ってきます。辺りを見回すと、ゴザが敷かれ何かが干してあります… 「藍の葉」でした。
 作業場では、近くに住むおばあちゃん達が「藍こぎ」の作業をしていました。藍の茎から葉を手でこぎとり、一日ほど乾燥させます。茎が残っている部分は、「つちぼう」という道具で叩き、手でもんで、乾燥しやすくします。
 初めて見る藍の葉は、厚く、深い緑色で、とても光沢がありました。指先で葉を揉んでみると、たちまち、藍色に染まりました。藍染は昨年体験しましたが、染液を作るまでの工程は、書物などでしか見られない貴重な見学です。
 おばあちゃん達から、「嫁いだ当時はそれぞれの家で藍染をしていた」「藍染めのモンペを履いていた」「藍染は高級品だった」など、興味深い話も聴けました。

写真展「栗原の魅力」巡回展示

身近な資源が地域の「光」に
写真:長屋門とサクラの木の前で花見をする人々

<監修> 故 観光・交流プランナー 麦屋 弥生 氏

 平成18年度から19年度に、くりはら研究所が資源調査で撮影した写真を展示しています。
 写真展で見てもらいたいのは、写真の「視点」です。展示している写真のなかには、「近所にあるあそこの方がもっと良いよ」、「私の家のはもっと素敵だよ」というものがあると思います。

 「栗原の魅力」は、私たちのすぐそば、身近にあるものなのです。

巡回展示「一迫展」
  • 期間 8月19日(火曜日)から31日(日曜日)※月曜日を除く
  • 時間 午前10時から午後6時 ※土・日曜日は午前9時から午後5時
  • 場所 一迫ふれあいホール
  • 観覧料 無料
巡回展示「金成展」
  • 期間 9月2日(火曜日)から11日(木曜日)
  • 時間 午前8時30分から午後9時
  • 場所 栗原市役所金成庁舎
  • 観覧料 無料

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