• くりはら研究所だより第41号
  • 2010年4月16日(金曜日)発行

資源の魅力シリーズ2 近代化産業遺産 その5

写真:古いコンクリート、錆びた手すりがレトロな雰囲気の欄干

 鉱山の煙突や工場が見渡せる丘の上に、細倉小学校の校舎があります。今回は、ここから散策してみました。
 平成3年に閉校した細倉小学校は、昭和30年代児童数が1500人を超えるマンモス校でした。現在は、校舎を企業が事務所として活用しています。小学校の上には細倉中学校がありましたが、今は家電のリサイクル工場になっています。
 小学校へと続く坂道から西側を見ると、巣箱のような2本足のやぐらがありました。このやぐらから、日に3回、作業の号令のサイレンが鳴ります。

写真:大きな音で時を告げるサイレンが鳴るやぐら

 児童が通った通学路を歩いてみると、スイセンの芽がでていました。帽子を被ったようなかわいらしいコンクリート製の支柱は少し黒ずんでいて、時の経過を感じます。白く塗られた板の外壁がお洒落な建物に「細倉労働組合」の文字を発見。何の配管でしょうか、パイプがいくつもあります。今は何もない所でも、銭湯があった場所だったり。歩いてみると、発見がたくさんありました。
 近くにある「細倉鉱山資料館」には、社宅がぎっしりと並んだ町並みの写真や年表などが展示されています。
 展示物を見てから、鉱山町や昭和の時代のかけらを探しに細倉を散策してみるのも、近代化産業遺産の楽しみ方の一つになりそうです。
 細倉鉱山の山腹にある、巣箱のような二本足のやぐら。日に3回、作業の号令のサイレンが鳴ります。音からも、かけらを拾うことができました。

リレー随筆

『明るい笑顔に受け入れられて』

栗原市若柳川南 田村 孝子(たむら たかこ)さん
写真:田村さん

 夫の転勤で仙台市から栗原市若柳に移り住み、2年がたちました。遠くまで広がる田園風景や、その先にそびえる山の景色は、生まれ育った古里(秋田県)にどことなく似ていて、まったく知らない土地での生活に不安を感じていたわたしの気持ちを和ませてくれました。
 人の温かさが栗原の魅力だと思います。家族でいろいろなところに行き、その先々で栗原の人たちは明るい笑顔で受け入れてくれました。
 農家民宿「有賀の里たかまった」での食事会に参加する機会がありました。おかみさんや地域のお母さんたちとの出会いが、栗原での生活を広げてくれました。
 栗原の豊かな食材、おいしい郷土料理もさることながら、すてきな見どころをたくさん教えてもらいました。ハスが大輪の花を開かせる夏の伊豆沼は、いつまでも心に残る風景。一迫の「長屋門カフェいわさき花門」のレトロで落ち着いた雰囲気も大好きです。
 栗原で暮らし始めた当時、まだ生後3カ月だった一人娘は2歳になりました。都会にはないものを見ることができ、味わえない体験をさせることで、伸び伸びすくすく育っているように感じます。これからも子どもと栗原の魅力を楽しみたいと思います。

【活動レポート】くりはら観光塾

旅人の立場から求めるツーリズム

 気取らない話し方が参加者から好評だった講師の石田さん。たくさんの旅の経験を話していただきました。特別な体験や立派な建物に泊まることではない、地方・田舎の魅力とは!?

  • 講演 「どうぞお構いなく あるがままの田舎の魅力」

  • 講師 グリーンツーリズム研究家、田舎ナビゲーター 石田 磬(いしだ けい)氏
  • 日時 2010年3月21日(日曜日)午後2時30分から4時
  • 場所 市民活動支援センター
  • 参加者 約60人

 全国の農家民宿や農家レストラン、農園、直売所などのグリーン・ツーリズム関連施設を訪ねて旅をしている石田磬さんを講師に招き、都会の旅行者が求める旅の姿を講演していただきました。
 石田さんの講演の一部を紹介します。

思い思いに過ごしたい
写真:観光塾の前日、市内を視察する石田さん

 グリーン・ツーリズムには体験というイメージがありますが、田舎に行くだけで、農村に身をおくだけで満足できることもあります。ボォ~っと空の雲を眺めたり、川を見たり、思い思いの過ごし方をしたいのです。
 「兎追いしかの山、小鮒釣りしかの川」は、究極の日本のふるさとのイメージ。田舎に行くと、日本人に脈々と流れるふるさと回帰の精神を感じることができます。
 足手まといかもしれないけれど、雑草取りや山菜採りのお手伝いなど、役に立つことで、もっとつながっていたいと思います。それを、「体験」で1時間何千円と区切られると、何か違うと感じてしまいます。

大切なのは清潔感

 グリーン・ツーリズムの1番の醍醐味は、農家の家に泊まれること。泊まることで共有する時間が長くなり色々なことが話せて、付き合いを深められます。
 農家民宿というと、立派な建物でなければいけないと思われがちですが、普通の家を開放したり、物置を改造したり、古い建物を利用している人もいます。清潔感があれば、どんな建物でも可能性があります。

お母さんたちの笑顔

 地域にとって、グリーン・ツーリズムを行う魅力は、交流を通じて、地域の良さや魅力を見直す事ができることです。また、生産者と消費者の距離を縮めてもくれます。
 まずは「損して得とれ」ではないけれども、とにかく人に来てもらって、そこから何かが始まる、交流の深さ・密度で世界が広がります。お母さんたちがどんどん若返っていくし、お父さんたちも若い人が来て楽しいし。その繰り返しをしているうちに、地元の農産物も売れるし、地域の認知度も上がってきます。
 全国のお母さんたちのあけっぴろげな笑顔が、一番の魅力なのだと思います。

石田 磬(いしだ けい)さんのプロフィール
写真:講演する石田さん

(有)梁塵社 代表取締役。ふるさと応援団くりはら輝かせ隊会員。東京・神田生まれ。日本経済新聞社で主に雑誌編集に携わり、退社後フリーライターに。2001年企画・編集・出版を手がける(有)梁塵社を設立。雑誌や書籍、講演会、イベントなどで愛する田舎・地方を紹介していらっしゃいます。

▽石田磬さんのブログ「磬のぐりつり よもやま話」
http://gurituri.jugem.jp/

 

くりはらツーリズムネットワークが設立

互いの価値観や活動に共感。つながって広がる、ツーリズムの輪

写真:くりはらツーリズムネットワーク総会

 今回の観光塾は、「くりはらツーリズムネットワーク」の設立総会にあわせて、記念講演として開催しました。
 この会は、ツーリズムの実践者や興味のある市民が、グリーン・ツーリズムなど多様なツーリズムの概念から、互いに学びあったり、交流事業に取り組んだりするものです。
 総会では、事業計画や予算の承認、役員が選出されました。
 まずは仲間を増やすこと、地元を知ることから活動していきます。

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