• くりはら研究所だより第25号
  • 2008年12月16日(火曜日)発行

資源の魅力シリーズ1 奥州街道 その7

写真:宮城県の天然記念物に指定されている姥杉

 前回に続き薬師山編。杉の木立の間の参道を上ります。左手には三十三観音が立ち並んでいます。坂を上りきると、右手に公園、左手が医王山双林寺の境内です。境内には、瑠璃殿とよばれる薬師堂があり、人々からはお薬師様、杉薬師様と親しまれてきたそうです。
 双林寺には、薬師堂の御本尊で国指定重要文化財の「薬師如来坐像」、「木造増長天立像」などがあり、予約すれば見学できます。
 本堂の北側には、参道の太い杉の木も遥かにしのぐ杉の巨木、樹齢1200年の「姥杉」が旧築館宿を見守るように立っています。間近で見上げると、あまりの大きさに、首が痛くなってしまうほど。きっと、昔の旅人たちも姥杉を見上げながら宿場に向ったのでしょうね。
 栗原市出身の詩人・白鳥省吾は、杉薬師が登場する詩を残しています。お薬師様が市民、特に旧築館町の人々にどれだけ親しまれてきたか想像できますね。

写真:刃物や庭木、花、野菜、かごなどの店が並ぶ築館互市

 さて、杉薬師の参道から旧奥州街道の築館上町では、藩政時代の物々交換から始まり、杉薬師の縁日に開かれるようになった築館互市が3月、5月、10月に開かれています。互市での買い物は、値切り交渉などの掛け合いも楽しみの一つ。
 互市にあわせた街道歩きがおススメです。

 

活動レポート くりはら輝かせ隊交流会in栗原

画像:活動レポートのロゴ

 くりはら研究所では、栗原市のファン(顧客)づくりとして、「くりはら輝かせ隊」の会員を募集しています。会員には、メールマガジン『くりけん通信』でくりはら研究所の取り組みや栗原のイベントをお知らせしたり、昨年度は東京と仙台で交流会を開催しました。
 今回は、初めて栗原を会場にして、交流会を開催しました。

【第一部 交流会】

写真:「もちつき」をする参加者

  • 開催日 11月22日(土曜日)
  • 場所 エポカ21

 第一部交流会では、くりはら輝かせ隊とくりはら磨き隊など、くりはら研究所の事業に参加している市民の皆さんが参加しました。
 エポカ21とくりはら食ツーリズム研究会のメンバーが、栗原の食材を使った料理を参加者に振る舞いました。くりはら食ツーリズム研究会は、栗原の食を研究していて、今回は餅料理やねっけ豆、煮物などをすべて手作りで調理しました。
 栗駒民話の会から栗原に伝わる昔話と童唄、踊りを披露したり、餅つきをしたり、人々が集うハレの場として、輝かせ隊だけではなく、観光産業づくりにたずさわる市民の皆さんの交流の場になりました。

【第二部 小さな旅】

写真:佐野社宅跡を見学する参加者

  • 開催日 11月23日(日曜日)
  • コース 近代化産業遺産(鶯沢)、奥州街道有壁宿(金成)

 第二部は「小さな旅」と称して、栗原のニューツーリズムを輝かせ隊の皆さんに体験してもらいました。「近代化産業遺産細倉鉱山エクスカーション」のタイトルで、細倉鉱山などの近代化産業遺産群の施設を巡るコースと、奥州街道有壁宿周辺を散策する「栗原古道回廊奥州街道有壁宿散策」の2コース。
 今回は、少人数で歩いて楽しめる旅をテーマにして、ガイドの説明を受けながらじっくりと散策しました。
 くりはら輝かせ隊は、北海道から沖縄県まで全国に会員の輪が広がっています。市民の皆さんの親戚や友人もぜひ、会員に勧誘してください。栗原の話題をお届けします。

資源調査で観つけた小さな光

職人

写真:写真:モナカの皮を焼く兵藤最中皮店の四代目

 その通りを歩くと、芳ばしい匂いと「ギーコ、ギーコ」という音が聞こえてきます。
 資源調査やモニターツアーで何度も歩いている若柳の下町商店街。以前もこのコーナーで若柳のモノづくり現場を紹介していますが、今回は「職人」に光をあてて。
 下町商店街の東端、国道398号との交差点の手前に兵藤最中皮店があります。ここでは、栗原産のもち米を使い、ハクチョウや茅葺屋根などたくさんの形の最中の皮を作っています。出来上がった最中の皮は、市内外の菓子店でアンコなどをつめて売られます。今は、三代目のお父さんと四代目の息子さんが、コツコツと最中の皮を手作業で焼いています。
 ついた餅を薄く延ばし、短冊状に切って、型に入れて焼く。文字にすると簡単ですが、火力を調整して美味しそうなきつね色に焼き上げるのは、職人の経験と知識、勘がないとできないワザ。
 三代目は中学生のころ、毎朝餅つきをしてから学校に行き、帰って来ると自転車で最中の皮を配達していたそうです。遠くは岩手県まで。もち米をふかして餅をつく、これだけでも大変な手間です。今は、餅つき専用の機械でついていますが、最初のもち米をこねてつぶす作業は人力。カラクリ人形のような機械の動きは、観ているとワクワクします。
 昭和60年代ごろまででしょうか、学校帰りの小学生が「おんちゃん、皮ちょーだい」と店に立ち寄り食べていったそうです。映画のワンシーンに出てきそうな、おおらかな時代を感じました。
 ハクチョウや茅葺屋根の形の最中を探して街歩き。そんな楽しみ方はいかがでしょうか。

写真:ノコギリ屋さんは、切れ味の悪くなった刃を研いで、切れ味を引き出す仕事

 もう一軒、「ギーコ、ギーコ」という音に引き寄せられ、菅野鋸店へ。ちょうどお客さんが、ノコギリの目立てを頼みに来ました。一目見て、お客さんが自分で削ったところを見定め、目立ての仕様を確認する。何となく粋なやりとりに観えて、得をした気分になりました。ノコギリが主ですが、包丁やその他の道具を頼まれることもしばしば。包丁を研ぐ石だけでも、たくさんの種類がありました。「すごい職人技ですね、もともと器用なんでしょうね」と何気なく質問したら、「ヤスリに教えられ、ノコギリに教えられ、カンナに教えられ、お客さんに教えられる」とご主人。
 使い捨ての時代といわれますが、モノを大事に使うことが当たり前のころから続いている職人のワザ。栗原の大切な光です。
 市外に出かけるのもツーリズムですが、広い栗原をもう少し深く、ゆっくりと覗いてみる。まずは私たち市民ができるツーリズムで、少しだけマチを賑やかにしていきたいですね。

写真:若柳下町商店街の地図

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