• くりはら研究所だより第48号
  • 2010年11月16日(火曜日)発行

資源の魅力シリーズ3 栗原のおいしい食 その3

くりはら食ツーリズム研究会の活動から観つけた、栗原の食の魅力を紹介します。

「かぼちゃばっとう」

写真:かぼちゃばっとう

 栗原では冬至に「かぼちゃばっとう」を食べる習わしが残っている家庭があります。なぜかと思い町村史を調べてみると、「冬至にかぼちゃを食うと中風※にかからない」という言葉が載っていました。
 農村社会では、縁起をかつぐとか、悪い縁起を帳消しにして縁起直しする方法が古くから生活に浸透していて、「冬至かぼちゃ」もその一つのようです。ほかにも「初物を食うと七十五日長生きする」など、生活に深く根ざしている教えがたくさんあります。
 さて今回は、「冬至かぼちゃ」を取り上げてみましょう。
 冬至とは、冬の寒さが本格的になる毎年12月22日ごろです。この時季の寒さに備えるため、小豆を入れたかぼちゃ煮を食べる慣習が「冬至かぼちゃ」です。さらに、「冬至かぼちゃ」に「はっとう」を入れると「かぼちゃばっとう」になります。
 冬至に食べる理由を探ってみると、野菜が少なくなる冬場の栄養を補うため、栄養価の高いかぼちゃを食べて気候の変化で風邪をひかないように、また、秋に収穫して、大事に大事に取って置いたかぼちゃをおいしく食べきるためになど、日々の暮らしから得た知恵から始まった慣習のようです。
※中風(ちゅうぶ)…脳卒中の発作の後遺症として、主に半身不随となる状態

かぼちゃばっとう

【材料】 ※5人分

  • カボチャ・・・240グラム
  • 水・・・800cc
  • 小豆・・・160グラム
  • はっとう・・・適宜
  • 砂糖・・・130グラムくらい
  • 塩・・・少々

【作り方】

  1. 小豆はアクを取るため、硬めに煮て煮汁を捨てる。
  2. 鍋に水と1の小豆を入れ、やわらかくなるまで弱火で煮る。
  3. カボチャは2センチ角程度に切り、2に入れてやわらかくなるまで煮る。
  4. ゆでたはっとうを3に入れ、砂糖、塩で調味する。
はっとう
写真:はっとうを千切る様子

【作り方】

  1. 小麦粉に、少しずつ水を入れてかき混ぜ、耳たぶくらいのかたさに練る。

  2. 濡れ布巾をかけて2時間ほど寝かせる。寝かせることで、なめらかにのびる生地になる。

  3. 鍋にたっぷりの湯を沸かす。手を濡らして2を一握り左手に取り、右手の親指と人差し指で3センチ程度の大きさに薄く伸ばしながら、ちぎって鍋に入れる。浮いてきたらすくって冷水にとる。ぬめりを取るため一度洗ってから水気をきる。

お願い 調査にご協力を

 観光資源の位置や概要をデジタルデータとして整備するため、調査しています。調査の際に、お話を聴いたり、写真を撮影する場合がありますのでご協力をお願いします。整備したデジタルデータは、栗原市地理情報システム『栗原市わが街ガイド』で公開する予定です。

【調査内容】

  • 調査期間 平成22年7月23日(金曜日)から平成23年3月22日(火曜日)まで
  • 調査する事業所 株式会社ウイル

活動レポート 栗駒山麓崩落地・景観活用検討委員会

将来ビジョンを検討中

写真:崩落地を視察する委員

 委員会は、学識経験者や関係行政機関、地域住民など14名の委員と4名のオブザーバーで構成しています。これまで3回の会議と現地視察を行い、基本方針を掲げて検討しています。
 第3回の委員会では、「将来ビジョンに関する提言書」の素案について意見を交換しました。委員からは、崩落地の景観を見せるための場として、栗駒・花山両地区にビューポイントを整備することや崩落地を案内するターミナルの整備、ガイドの育成などが必要であるとの意見が出されています。
 来年1月に最終の委員会を開催し、2月に将来ビジョンを栗原市長に提言する予定です。

基本方針
  • 震災により尊い人命を失ったこと、未だ行方不明者がいることを決して忘れてはならない。
  • 震災の経験と記憶を未来へ継承する遺産として、多くの人々や後世に伝えていく。
  • 地域の安全・安心を基本とし、崩落地の景観を多目的に活用しながら栗原市の活性化を目指す。

リレー随筆

『お盆から感じた文化の価値』

早稲田大学教育学研究科修士課程1年(東京・中国内モンゴル出身)
鋼巴図(がんばと) さん
写真:ガンバトさん

 8月13日(金曜日)から16日(月曜日)、地域づくりインターン事業で栗原市に滞在した。わずか3泊4日であったが、日本に来て6年目で、初めて農村の暮らしとお盆を体験できた。
 体験日の初日は、盆棚飾りと迎え火であった。盆棚飾りはいわゆる先祖をまつることであると思う。中国仏教由来の日本のこの伝統習慣は、一般の家庭として中国以上の隆盛な行事を行っている。
 特に面白いと思ったのが、ナスとキュウリで作った牛と馬の「精霊馬(しょうりゅうま)」。先祖たちが来るときは馬で、帰る時はものをいっぱい積んで牛でゆっくり帰るとの説はまた独特な文化ではないだろうか。
 2日目、午前に和尚さんの読経、午後は墓参り。和尚さんの「私たちは生きていることに感謝する」という話が興味深かった。私たちが生きていることは何かの犠牲のうえである。豊かな社会に生まれた今の若者は、生きることの厳しさを理解していないように思う。家に入ってきた昆虫をつかんだ瞬間怖いと叫ぶ都会の若者、これに日本の子どもの生活の時代変化がよく現れていたと思う。

画像:盆棚を飾るインターン参加者

 3日目は餅の日。この日は、ご先祖様に供えた食べ物を少しずつ下げて自分たちで食べ始めた。この様子を見てびっくりした。今までの私の印象は、ご先祖様や仏様に供えたものは食べてはいけないということだが、初めて本当にカルチャーショックを受けた。
 私の国では、ご先祖を火で祭る習慣があって、先祖に供える食べ物や飲み物を全部一緒に燃やす。そのため、盆火が稲わらだけであったことに少ないとも感じた。
 4日目、盆棚を片付けた。竹以外は捨てるものがなかった。
 年寄りの間で、古い伝統習慣への愛着や保存が強いことが分かった。ご先祖様に供えた食べ物を捨てずに食べることは、「食」を大事にする意味合いがある。食料自給率が約4割という日本で、この文化はより一層重視されるべきである。
 お盆を通じて感じたのは、栗原の文化は日本人だけではなく、外国人の視点から見ても失われたくない貴重な文化財産である。

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