• くりはら研究所だより第26号
  • 2009年1月16日(金曜日)発行

資源の魅力シリーズ1 奥州街道 その8

写真:築館社会福祉センター前の標柱

 今回は、栗原市内にあった奥州街道の6つの宿場町の一つ、「築館宿」に入ります。様々な文献を観ると「杉薬師」の参道から北に向って坂道を下った辺りに「築館宿本陣」があったそうです。道路改良によって面影はありませんが、近くにある市立図書館の植込みの中に「明治天皇行在所跡」と記された標柱があり、旧築館本陣(紀州屋)と記載されていました。本陣の標柱から3分ほど先に進むと、築館社会福祉センターの入口に仙北通りと奥州街道の説明が書いてある標柱があります。奥州街道の名残を感じる、こうした道標があるだけでも嬉しいものだと、ある街道ファンが話していました。

写真:魅力的な築館の路地歩き

 築館の街中には、いくつかの旅館やホテルがあり、街道歩きを楽しむ旅人にとって嬉しい飲食店やちょっとした日用品が揃う商店があり、現在でも宿場町としての機能があります。道具や商品を背負い街道を旅した先人達も、宿で身支度をして必要な道具や食料を揃え、時には地酒や名物を楽しみ、次の宿場を目指したのでしょうね。
 築館の街中には、昔ながらの景観を残す細い路地や建物、新しい試みに挑戦する飲食店や菓子店など、街歩きを楽しむ資源がたくさんあります。
 前回紹介した杉薬師や築館互市とあわせて、歩いて楽しめる資源です。

産業観光ワークショップin栗原

フォーラムに参加して、まちづくりのヒントを掴もう!

 「産業観光ワークショップ」フォーラムの参加者を募集します。この事業は、社団法人日本観光協会と協力して実施するもので、日本観光協会の会員にモニターツアーとして若柳地区の街歩きを体験してもらい、その感想や意見、発展の可能性などをフォーラムで発表してもらいます。
 若柳地区だけではなく、他の地域にも活用できるアドバイスが期待できるフォーラムです。

  • 日時 1月31日(土曜日)午前9時30分から午後0時30分
  • 場所 栗原市役所金成庁舎ほたるホール
  • 事例発表 くりはら研究所
  • 講演・全体講評
    全国産業観光推進協議会副会長・JR東海相談役 須田 寛 氏

  • パネルディスカッション
    コーディネーター 日本観光協会総合研究所長 丁野 朗 氏
    パネリスト 多摩大学大学院教授 望月 照彦 氏
    パネリスト 温泉ビューティ研究家 石井 宏子 氏

産業観光とは

 産業観光とは、歴史的・文化的価値のある産業文化財、生産現場及び産業製品を観光資源とし、それらを通じてものづくりの心に触れるとともに、人的交流を促進する観光活動をいう

資源調査で観つけた小さな光

ふすべ餅

写真:串にさしたドジョウを炭火で焼く様子

 「餅」は、米どころ栗原の郷土料理の代表です。昔から、年中行事や農作業の始めと終わり、お客様へのもてなしなど、「ハレ」の日に食されてきました。栗原の餅料理は、50種類以上もあるといわれ、あんこ餅・雑煮餅・ずんだ餅・しょうが餅・えび餅・納豆餅など、5、6種類の餅料理が一度に食卓へ並びます。
 その中で、特徴的な餅料理が「ふすべ餅」です。「ふすべ(燻べる)」は物を燃やす・いぶす・くすべる・すすけさせるなどの意味で、こんがりと焼いたドジョウと、すりおろしたゴボウで作ります。
 先日、くりはら研究所では、地域の食の魅力を研究する「くりはら食ツーリズム研究会」のメンバーと一緒に、「ふすべ餅」の伝承に取り組んでいる栗駒猿飛来の千葉つる子さんのお宅を訪問しました。
 千葉さんのお話では、「ふすべ餅」は栗駒地区を中心とする三迫川流域で昔から食べられていたようで、とりわけ寒い冬には、唐辛子をきかせて体を温めるために、また、食欲がなくなる暑い夏には、夏バテ防止としても食べられてきたそうです。
 まず、ドジョウのぬめりを取るため、1時間程むしろに広げます。するとドジョウは、むしろの上で動いて藁くずをまとうので、驚くほど扱いやすくなります。そして、一匹ずつ腹から背に向けて竹串に刺します。竹串には、青竹は使わず、良く乾燥させた竹を使います。青竹の水分でドジョウの乾燥が悪くなるので、青竹は使わないそうです。
 竹串に刺したドジョウは、炭火に近づけて一気に焼きます。ある程度焼けたら、囲炉裏に立て、今度は、焦がさないように遠火でじっくりと10時間程焼きます。ここで焦がしてしまうと、苦味が強くなるので、気長に、じっくりと…。すると、千葉さんは、物置から紙の米袋を出してきて、囲炉裏の周りをぐるりと囲みました。「熱が逃げないようにね。」と。
 むしろや青竹、米袋の話は、経験がなせるワザ。「なるほど」と、思わずうなずいてしまいます。
 そして、焼きあがったものは串ごとベンケイに刺し、1週間位乾燥させます。カラカラに乾燥したら、再び炭火にあててよく温めます。すると、「ポキン」と折れるほどに。最後にすり鉢でよくすり、粉にします。これでやっと「ふすべ餅」を作る材料の「焼ドジョウ粉」が完成です。しかも、約600グラムのドジョウからできる粉の量はわずか150グラム。

写真:ふすべ餅を作る千葉つる子さん

 この「焼ドジョウ粉」ができて、 いよいよ「ふすべ餅」作りです。
 すりおろしたゴボウをよく炒め、大根おろしと水を入れて煮込みます。ていねいにアクを取り、焼ドジョウ粉と唐辛子を入れ、酒、みりん、醤油または味噌で調味します。1時間程煮込み、餅を入れて出来上がりです。
 初めて食べる「ふすべ餅」の味。素朴ながらも、焼いたドジョウの香ばしさとごぼうの香りに感激です。手間をかけて作った分だけ、ことさらにおいしく感じました。
 今回、教えていただいた作り方や材料は、栗駒猿飛来に昔から伝わるもの。この他に、地域によっては大根おろしを入れないでドジョウとゴボウだけで作る方法もあります。また、キジの肉を使う「きじ餅」、ドジョウを丸のまま使う「ごろんべ餅」もあります。いずれも、栗原の豊かな耕土で育てたおいしいお米でできた餅と、自然の恵みを生かした材料で作る餅料理です。
 「食」は、日常生活だけでなく旅行や観光の場面でも重要で、「旅先では、その土地ならではのおいしいものを味わいたい」という言葉がよく聞かれます。
 地域の魅力を「食」から探るツーリズムも楽しいものですね。

「地域づくり総務大臣表彰」を受賞

地域資源を活用して、行政と市民、企業、学校などが連携する取り組みが評価に

写真:モニターツアーで長屋門を見学する人々

 「くりはら田園観光都市創造事業」の取り組みが評価され、栗原市が「地域づくり総務大臣表彰」の地方自治体表彰(頑張る地方応援表彰)を受賞しました。

  • 発表 2008年12月5日(金曜日)
  • 表彰式 2008年12月22日(月曜日)

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