• くりはら研究所だより第17号
  • 2008年4月16日(水曜日)発行

観光産業づくりシンポジウム開催

地域の魅力を観光産業に生かす

  • 日時 2008年3月24日(月曜日)午後1時から午後4時30分
  • 会場 この花さくや姫プラザ(志波姫)
テーマは観光産業と地域づくり

 くりはら研究所では、平成18年10月から田園観光都市の創造に向けて、地域資源の調査・発掘をしながら、様々な事業を通じて「栗原の魅力」とその生かし方を研究してきました。
 今回のシンポジウムは、1年半の活動の総まとめとして、市民に栗原の魅力を伝え、さらに基調講演やパネルディスカッションを通じて、今後の進め方を考え、市民に参画を呼びかける場として開催しました。

基調講演 地域にふさわしい発展の姿を

演題 農山村の価値
講師 早稲田大学 教育・科学総合学術院教授 宮口とし迪 氏

写真:講師の宮口氏

 日本の農山村は南北に細長く、地理的にも気候的にも異なる条件の中で、ひたすら同じになろうと水田化を目指して米作りをしてきました。
 田舎の人が自分達が持つ価値を主張するとき、まず初めに対極にはどんな価値があるのかを知らなければなりません。つまり都市の対極としての農山村の価値をどう主張するかであります。その上で、農山村では、今の時代にふさわしく、かつ都市が生み出す価値とは違う価値を作り出すことが大切なのです。そしてそれは、昔から残っている価値に加え、自然や人のワザ、昔から引き継いだ遺産をうまく活用して、生きるための仕組みを進化させることであります。
 それには、地域に散らばる小さなパワーを結びつけ、さらに外からの異質なパワーを受け入れるという交流が必要です。その交流、連携を飛躍的なパワーに変えるのが「協働」であり、コラボレーションであります。
 昔の農村は、土地を安定的に守るため、二男、三男は黙って出て行きました。出て行かないと、農村はいつも不安定になるからです。しかし現在では、都市には働く場所があるため、長男も出て行ってしまっています。これが過疎です。
 農村は、昔から人口が増えてはいけないところで、それは、地面(水田の面積)は増えないからです。少ないながらも、今いる人でうまくやっていくことが農村の使命だったわけです。
 農作業体験などを単純にさせるグリーン・ツーリズムには疑問があります。農家民宿でのんびりしてもいいし、子ども達だって、農業体験だけでは飽きてしまいます。農村の風景、食はもちろんですが、もっとも大事な田舎の魅力は「人」です。物事に動じない人、懐の深い人など、都会で右往左往している人とは違う強さを持っている人であります。
 これからは、これら全ての魅力を生かしたルーラル(田舎)ツーリズムの実現が期待されています。

プレゼンテーション 田園観光都市づくり 栗原の魅力

写真:プレゼンテーションの様子  くりはら研究所のこれまでの活動と、その中で見つけた資源の魅力を紹介しました。また、今後の取り組みについても説明しました。

パネルディスカッション じっくりとつくる栗原の観光産業写真:コーディネーターを務めた麦屋さん

テーマ 観光産業と地域づくり

コーディネーター 観光・交流による地域づくりプランナー 麦屋弥生 氏

パネリスト

  • 温泉ビューティ研究家 石井宏子 氏
  • JTB東北 交流文化事業部地域貢献推進部長 阿部昌孝 氏
  • ふるさと応援団くりはら輝かせ隊 堀川邦雄 氏
  • 地域資源発掘会議くりはら磨き隊 菅原敏允 氏

 麦屋氏は、パネリストに意見を聴きながら、1年半の調査研究から栗原にはゆっくりとした時間が流れていると感じ、栗原の観光産業づくりはあまり大急ぎせずに、じっくりと取り組んでいきたいと話しました。今後は、具体的な観光の商品化に取り組みながら、さらに「人」の発掘をしていきたいという方向性を示していただきました。
 最後にアドバイザーを務めた宮口氏からは、くりはら研究所の将来像を「株式会社くりはらツーリズム研究所」にという期待と助言をいただきました。

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