• くりはら研究所だより第80号
  • 2013年10月1日(火曜日)発行

シリーズ ジオパーク4.

第2回東北ジオパークフォーラムin磐梯山に参加

シリーズジオパークロゴ9月5日(木曜日)・6日(金曜日)/猪苗代町体験交流館「学びいな」

 

 東北各地のジオパークとこれからジオパークを目指す地域が一堂に会する、第2回東北ジオパークフォーラムin磐梯山。栗駒山麓ジオパーク構想の事例発表と、各地のジオガイドの取り組みを学ぶために参加しました。事例発表の内容を紹介します。

地球史のページをめくる音を感じるジオパーク

画像:「ダイナミックな大地の変遷と伝えて行くガイドの役割」と題しての発表 栗原市がジオパークを目指すことになったきっかけの平成20年岩手・宮城内陸地震では、奥羽山脈を構成する火山の山頂から麓までの範囲に3,000を超す、さまざまなタイプや規模の斜面の崩壊が生じました。この内陸直下型地震は、何度も繰り返されてきた奥羽山脈での地球の営みです。自然の驚異そのものを感じ、大自然は動いていると感じることが出来ます。
 「地球史のページをめくる音を感じる」。この意味は、地球46億年の歴史のなかで奥羽山脈が100万年から200万年の歴史しか持たない新しいものです。さらにこの岩手・宮城内陸地震は5年前のことで、私たちはそれを目の当たりにし体感しています。
 悠久の歴史の中で間違いなく、奥羽山脈が大きく変貌しようという1ページをめくるその瞬間を手伝っています。そこで起きた出来事を考える時、なんともいえない迫力が蘇えってきます。説明するよりも五感に沸いてくるものであり、栗駒山麓ジオパーク構想では「音を感じる」という言葉で表現しています。 

栗駒山麓ジオパーク構想

 ジオパーク、そのキーワードの一つは「気づき」です。栗原市では一つの大きな気づきを行いました。私たちの足元にある身近な資源や震災で生じた新しい自然景観も、感動する心の幅を広げ、「地域全体の地形や地質にも拡張しよう」という考えです。
 その中で栗駒山麓ジオパーク構想では、栗駒山と三つの迫川などに育まれた自然と人の営みの相互作用が地域を作ることに気づき、見つめ直すことで、地域の資源をより豊かでダイナミックなものとして発信し、結果として、栗原全体の魅力として伝わり、観光のコンセプトを変える新しい考え方になります。

自然災害と付き合う中で育むジオパーク

 岩手・宮城内陸地震は、奥羽山脈で営まれる斜面形成の一ページをめくる仕業でしたが、この出来事が私たちに自然の猛威とどう付き合ってきたかを振り返らせるきっかけをもたらしました。
 標高1,627メートルの栗駒山から海抜10メートルの伊豆沼周辺まで、この標高差こそが栗原市の豊かな自然景観を育んでいます。栗駒山の山頂部でも、栗原耕土と呼ばれる豊穣の平野でも、地域全体で自然の驚異を畏敬し、知恵を出して来たのではないでしょうか。栗原の自然と人の営みすべてがジオパークとしての潜在力を持っていることになります。

栗駒山麓ジオガイドの役割

画像:ジオガイドは、ジオパークの魅力や楽しみ奥深さを先頭になって伝えることが出来ます

 栗原市が持つ魅力や、ダイナミックな大地の形成と変遷、独自の生態系、歴史・文化を伝えるジオの案内人です。
 そして過去に起きた災害、私たちが体験した震災の記憶と経験を、未来へ継承する語り部としても期待されています。

ジオツアーに参加

画像:1888年の水蒸気爆発の爪痕が今も残る磐梯山

 ジオツアーでは、ジオガイドの案内で磐梯山ジオパークのもつ新世界を体感しました。
 1888年の噴火による岩なだれで堰き止められてできた湖沼と流れ山の地形、火山活動後の山体の容姿などをジオガイドに解説いただき、ジオパークの魅力や楽しみ、奥深さを先頭に立って伝える手法を学びました。

【活動レポート】地域づくりインターン事業

都会の若者が地方の暮らしを体験

「普段の農家の暮らし」をテーマに、都会の学生が、8月27日(火曜日)から31日(土曜日)まで4泊5日の日程で、花山地区(3泊)と若柳地区(1泊)の農家に民泊しながら地方の暮らしを体験しました。

 くりはら研究所では、平成19年から農村の暮らしに興味を持つ都会の学生を受け入れています。
 今回は成城大学と明治大学の学生2名が参加し、地域資源の調査や農作業を体験しました。主な体験の内容は次の通りです。

8月27日(火曜日)

 花山地区に移住してきた方や昔から住んでいる方との交流を目的に、地元の窯元や蕎麦職人からそれぞれの作業工程や地域の魅力についてお話を伺いました。

8月28日(水曜日)

画像:初めての農作業体験で農家の大変さを実感 農作業体験として、家畜の世話や野菜の収穫、畑を耕す作業を行いました。学生は鍬を使うのは初めてで、受け入れ農家の方から丁寧に指導を受けながら慎重に作業を行っていました。
 また、昨年のインターン事業に参加した学生2名が偶然に栗原市へ来ていたため、今回参加している学生と栗原の魅力や昨年の体験の様子などについて意見交換を行いました。

8月29日(木曜日)

画像:今回参加した、成城大学2年根本日向子さん(右)と明治大学2年山村美来さん(左)

 花山の子育て支援センターで、地域のお母さんたちと子育てに関する意見交換を行った後、国立花山青少年自然の家で、施設見学や沢登り体験を行いました。
 澄んだ空気や水の冷たさ、自然の中の音を体感しながら約2時間の沢登りを楽しんでいました。

8月30日(金曜日)

画像:餅切りに大苦戦

 くりはら食ツーリズム研究会の皆さんに協力いただき、地元食の「餅」づくりを体験しました。
 「えび餅」や「しょうが餅」、「くるみ餅」など5種類を作りましたが、学生にとって普段はあまり食べることの無い種類の餅を興味深く味わっていました。

8月31日(土曜日)

画像:出店ブース「マイ箸作り」の様子

 インターン事業最終日は、2013栗原市民まつりに参加し、出展ブースの手伝いをしてもらいました。イベントの企画や運営に携わったことがあるということで、手際よくお客さんの対応をしていました。

 今回のインターン事業に参加した学生からは、「慌ただしい都会の生活と違い、農村の暮らしは時間がゆったりと経過しており、心地よい空間だった」、「長屋門、田園風景、食文化、農作業などその地域ならではの歴史、文化に触れることで、農村の多様な価値を学ぶことができた」などの感想をいただきました。
 受け入れた農家の方々も、都会の学生との交流を楽しみながら、また機会があれば受け入れたいと話していました。

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