• くりはら研究所だより第60号
  • 2012年1月16日(月曜日)発行

栗原市観光産業づくりシンポジウム

テーマ 地域活性化への理解醸成

12月23日(金曜日)/一迫ふれあいホール
主催 国土交通省 国土政策局 地方振興課
主管 栗原市・くりはらツーリズムネットワーク
協力 栗原市観光物産協会・株式会社 価値総合研究所

 「地域活性化への理解醸成」をテーマに、多くの方々に地域資源の価値を再認識してもらい、観光やツーリズムを中心とした地域活性化への取り組みや活動へ興味・理解をもっていただくことを目的に開催し、111人が参加しました。

 第1部では基調講演と事例発表、第2部ではワークショップとして、「くりはら博覧会らいん」のプログラムとグループトークを体験しました。

第1部 基調講演
写真:講師 宮口 としみち氏

演題 「地域の価値の再認識(学び)と人材の育成」
講師 早稲田大学教育・総合科学学術院教授 文学博士 宮口 とし廸(としみち)氏

 講師の宮口氏から、地域の価値を再認識することや人材の育成について講演いただきました。
 今回は、講演の一部を抜粋して紹介します。

自らの地域を語れるようになろう

  ほかの地域と比べて、自分の地域にどんな特徴があるかを語れるようになることが大切です。例えば、栗原には長屋門があって当たり前だと思われてきました。しかし、これはここにしかない物で、「誰がいつ頃作って、どのように使ってきたのか」、「これを生かすとすればどんな使い方があるだろう」というように頭が働いていきます。これが自らの地域を語れるということです。

人と資源をどう育てるか
写真:シンポジウムの様子

 「地域が活性化している」とは、色々な反応が起きて何かが生まれやすい状態であることです。
 人と人が反応することで新しいプロジェクトが生まれます。栗原では「くりはらツーリズムネットワーク」が発足しました。
 人と資源が反応することで、地域資源を活用した体験と交流のプログラム「くりはら博覧会らいん」が誕生したことは大変素晴らしいことだと思います。
 栗原は着実に何かが生まれていて、来る度に良くなってきています。

地域は単に客観的な存在ではない

 地域にはいろいろなタイプの人がいます。「これはあの人に力を発揮してもらおう」、「これは高校生に頑張ってもらおう」など、地域の力をピックアップしてつないでいき、飛躍的な力にすることが「協働」であり、決して抽象的なものではありません。

次の世代をどう育てるか

 栗原にもいくつかの高校がありますが、地域の高校で何を学び、そこでどうやって育っていくかが、地域の将来にとって、とても大事なことです。次の世代とどうやっていい関係を作っていくかが、非常に大切です。

 

  • 次号では、事例発表とワークショップについて紹介します。

活動レポート 長屋門から地域を学ぶ

第1回くりはら長屋門研究会

11月18日(金曜日)/一迫地区「長屋門cafe´いわさき花門」、一関市「骨寺村荘園遺跡」

 くりはら長屋門研究会は、長屋門に興味のある方や歴史・文化に興味のある方など、市民9人で活動しており、長屋門にまつわる歴史的背景や物語、建築技術、活用・保存方法など、さまざまな視点から長屋門の新たな価値を創造するための研究を進めています。

【意見交換】
写真:意見を交わす研究員

 これまで、くりはら研究所が行ってきたモニターツアーや現地調査、市民による取り組みを研究会に報告し、長屋門の使われ方や地域特性について意見交換が行われました。 
 研究員からは「古き良き時代の農業経営の名残りが長屋門である」、「長屋門を郵便局として活用していた時代もあった」など、当時の文化や活用についての説明があったほか、保存に関する課題についても意見が出されました。

【現地視察】
写真:ガイドを話を熱心に聞く研究員

 国の重要文化的景観に指定されている一関市の「骨寺村荘園(ほねでらむらしょうえん)遺跡」を視察しました。
 視察地は山々に囲まれた地域で、曲がりくねった水路や不整形な水田、イグネに守られた家々など、自然を巧みに利用して築きあげてきた農村の風景が維持されており、ガイドの説明を聞きながら地域の歴史や文化を学びました。

くりはら長屋門研究会の活動に興味のある人は、くりはら研究所までご連絡ください。

リレー随筆 「栗原での生活体験を終えて」

東京大学大学院学際情報学府修士2年(大阪府出身)谷田 和章(たにだ かずあき)さん
写真:谷田 和章さん

 先日、栗原市の「若者の地方体験交流(地域づくりインターン事業)」に参加し、短い期間ではありましたが農家に宿泊し、普段とは違う田舎での生活を体験させていただきました。
 栗原市は人と自然との距離がとても近いところで、その関係によるほのぼのとした空気感は心地良いものでした。車での移動中、すぐそばで牛が当然のように歩いているのを見た時などは少し驚きましたが・・・。
 山に入って、自生しているものを採って食べるということも、経験することができました。都会暮らしではまずないことで、こちらの人々は、そういうことを普段の暮らしの一部としているからこそ、自然との良い関係が保たれているのだと思いました。
 滞在中にいただいた食事は、とてもおいしいもので、自分たちで食べるお米や野菜を、どれも自分たちで作ってしまう。当たり前のようなことなのかもしれませんが、しかし、それがかけがえのないことのように感じられました。だから農家の人はきっとおいしい食事でお腹を満たすことができるのだと思いました。

写真:体験の様子

 地域の人同士のつながりが緊密だな、ということも感じたことの一つです。周りの人が顔見知りなので、何かあればお互い手を貸したり、畑で採れた野菜などをおすそわけしあったりできます。
 ここでの生活には少し不便なところがあるのかもしれない。自分たちでやらなければならないことも多いのかもしれない。だからこそ、他の人のことを気にかけて、お互いに協力しあうことを大切にしているのだなと感じました。そういった素朴な生活のあり方が栗原には息づいていると思います。

くりはら研究所だよりPDF版

くりはら研究所だよりのダウンロード