受賞作品を、原文のまま掲載します。また、編集の都合上、すべて横書きにしています。
※敬称略

原文はこちら

学校の畑でヘチマを取った
ヘチマのつるに
ぼくの身長は追いこされた
ぼくの顔より大きなヘチマもあるのに
なぜか、小さなヘチマを取った

ヘチマはみそ汁の具になった
そうか、そうだったのか
みそ汁の具にするから
若くて、やわらかいヘチマだったのか

ヘチマの皮をむいた
やわらかくてブヨブヨしてむきにくかった
青くさいにおいがした
こんなのほんとうに食べるのかなあ
きゅうりのような
ゴーヤのような
正直いってこれはまずそうだ

なべの中で
青くさいヘチマは
音もしないでボールのように
下へ上へ 下へ上へ
まるで
「ぼくは、おいしいぞ。」
「ほかの野菜よりもおいしいぞ。」
と言ってるようだ

いよいよ試食
舌全体で味わってみた
口の中でつるっとして
ぬっるとのどを通って
ぼくのおなかに入っていった
「おっ、さっぱりしておいしいぞ。」

「どうだおいしいだろ。」
ぼくのおなかの中で
ヘチマは
「食べられるんだぞ。」
「野菜なんだぞ。」
と、とくいになっているようだった