受賞作品を、原文のまま掲載します。また、編集の都合上、すべて横書きにしています。
※敬称略

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稲がなくなって
さびしそうな田んぼのあぜ道を
お母さんとならんで散歩した
「お母さんが子供のころは
道ばたの赤まんまの草でままごとをしたん
だよ」
「あのつつみのウシガエルはたくさんいて
気持ち悪いんだよ」
いろいろな話をしてくれた
その時、空のはじっこの方から
たくさんの渡り鳥たちが飛んで来る
伊豆沼へかえるのかな
あれ
鳥の飛ぶ形が「へ」だ
だんだん大きくなって来る
へへへへへっ
空の黒板に「へ」の行進だ
おもしろいなあ
へたくそな「へ」もある
そんな時は、「おーい、おくれるな、がん
ばれ!」とさけんでしまう
そのうちに西の空が赤くそまってきた
だんだん赤がこくなってきた
まるで空が顔を真っ赤にして
笑っているみたい
へへへって
私も笑った
そしたら、お母さんも笑った
ふたりで夕陽をあびて
赤い顔で笑った
なんだかとってもいい気分
今日あったちょっといやだったこととか
失敗しちゃったこととか
全部ふっとんじゃった
夕焼けの空が私の心の中まで
ぽわっとあたためてくれる
明日もがんばろうって元気になれる
明日も空が笑ってくれるといいな