受賞作品を、原文のまま掲載します。また、編集の都合上、すべて横書きにしています。
※敬称略

原文はこちら

今年一月末のこと
雪も少なく 寒くもない
私は一人散歩をした
ヒラヒラ クルクル
赤い物が目の前に落ちた
拾って見ると割れた赤い風船
何やらメモが付いてる
それは山形のある保育園の五十周年式で
園児が百ヶ飛ばした物の一個だった
拾った人はお手紙下さい
一人の園児の名前と住所があった
私は園児の気持と夢を拾った
すぐ手紙を出した
ここは宮城の山里
良くここまで飛んで来たね
園児が待っている 喜ぶ顔が見える
五日後園児と母親から手紙が来た
次の日職員の方々からも
私のした事が皆に喜んでもらえるなんて
その後保育園には
一通の手紙も電話も来なかったようだ
九十九個 どこに飛んだか
そして六月十四日
岩手宮城内陸地震が起こった
毎日の予震が続く怖い
その時嬉しいたより
あの保育園の園児から
そして職員の方々からも涙で目が潤む
私を覚えてくれていた山形の園児達
「おばあちゃんじしんだいじょうぶ」
何と見ず知らずのばあさんに
これこそ人間愛
いつまでもやさしい大人になってね
遠くからばあさんは祈っています
やさしい園児に元気をもらい
「ありがとう 大丈夫よ」
私は又手紙を出した