受賞作品を、原文のまま掲載します。また、編集の都合上、すべて横書きにしています。
※敬称略

原文はこちら

「裕哉、見て見て。」
お母さんが声をひそめて
ぼくをよんだ。
なんだ?なんだ?なにごとだ?
ぼくは、しゅくだいの手をとめて、
お母さんのゆびさす方を見た。
「バタバタッ。」
「ジジジジジジ。」
なんと、ツバメとセミが
ぼくんちのにわで、大かくとうしてる。
「やめて、やめてえ。」
と言うようにひっしにもがくセミ。
「はなすもんか。」
と、くちばしでおさえこむツバメ。
やっぱり体の大きなツバメの方が
力が強い。
そのままとび立った。
だが、それでも
「ジジジジッ、ジジジジッ。」
セミは羽をふるわせてもがく。
ツバメはセミを
くわえては、おとし、
くわえては、おとし、
くろうのすえに、
やっと、すの方へとんで行った。

あんなにもがいて
かわいそうなセミ・・・
でも、ツバメも
すでまっているひなたちに食べさせたい。
そう思って、ひっしだったんだろう。

ぼくんちのお母さんも
ぼくとたいせいをそだてるために
かんごふさんのしごとをがんばっている。
やきんまでして、一人でがんばっている。
あのツバメもきっと
お母さんツバメだったにちがいない。