受賞作品を、原文のまま掲載します。本文に読みがなを〔 〕書きで添え、編集の都合上、すべて横書きにしています。
※敬称略

原文はこちら

ことしの稲は背が高い
どうしてだろう
あんなにまぶしい空ばかり見あげて
あの子たちを捜していたのだろうか
それとも、根っこを深くのばして
帰らないあの子たちと遊んでいたのだろうか

ちいさな畑にねむる西瓜〔すいか〕をそっと持ちあげて
まぁるいお腹をたたいてみても
わたしにはわからない
この星の気持ち
でも、わからないままに
わかることだけをことばにして
わたしは生きてきた
かわいた畑に、いく日も雨が降らなくても
実りはじめた玉蜀黍〔とうもろこし〕が、風にたおされても
それもまたこの星の気持ちなんだと
素直に受けとめてきた

あの日
あの子たちはまだ白い朝のことばを
海辺の路地にのこして元気よく駆けていった
それはこの星に生まれた
感謝のことば
等しく生きようとする希望のことば
とおく命をかさねて廻りつづける
あなたへのことばだったのです

だから早く
早くお家に帰してあげて
もし、あの子たちがまだ
夕日のしずむ海の波間で遊んでいるのなら
夜明け前のオリオンの背にのせて
明日の朝

あの子たちを
帰してあげて