第5回「ゆっくりひとめぐり」栗駒山麓観光写真コンクール審査結果

入賞作品紹介 

最優秀賞 1点

画像:最優秀賞「山のめぐみの米納め」

第5回最優秀賞
「山のめぐみの米納め」
高橋 清 さん(岩手県平泉町)

【講評】写真家 小松ひとみ 氏

残雪の須川岳を借景として、枯れたあぜ道を進む祭りの村人たちを静かな眼差しで情緒的にとらえた秀作です。いにしえの祭りを復活させた確固たる想いが、手前を歩く村人たちの淡々とした表情からも感じ取ることができました。四本の“のぼり旗”が放射状に広がる瞬間を作者は狙っていたのでしょう。その奥にそびえる須川岳とのバランスがこれ以外ない!という絶妙のカメラポジションとタイミングでした。

優秀賞 4点

画像:優秀賞「朝霧の詩」

第5回優秀賞 秋田県湯沢市長賞
「朝霧の詩」
五十嵐 敏紀 さん(秋田県横手市)

【講評】写真家 小松ひとみ 氏

栗駒山がたたえる豊かな水は山麓を潤し、その一帯を豊饒な森や実りの土地として続くよう支えてきました。東成瀬村一帯に漂う霧は、その豊饒なイメージを想像させてくれました。実りの季節を終えた田畑の中に伸びる手前の一本の道は、村の奥につづく道標のような役割、点在するイチョウの黄色は全体が落ち着いた色調の中で画面にリズムを与えてくれる良きスパイスとなっています。また、空に伸び上がる霧のスペースを多くしたことで、豊かな水が昇華して雲になり、また雨となって大地に降り注ぐ、そんな水の輪廻を感じさせてくれる絵物語のような作品となりました。

画像:優秀賞「明けの舞」

第5回優秀賞 宮城県栗原市長賞
「明けの舞」
渡邊 興次 さん(宮城県東松島市)

【講評】写真家 小松ひとみ 氏

画面の中にはたくさんのサギが映り込んでいますが、右上の飛び立ったサギと左端のじっと佇むサギ。二羽がまるで掛け合いをしていて、会話が生まれているように感じ強い印象を受けました。それは画面の中での二羽の間合い、そして動と静の動きの対比なのかもしれません。また飛び立ったサギの背景が反射した湖面であることも見逃せません。全体を覆う上質な空気感と朝焼けの同系色、その中できりっとしまったシルエットのサギの姿を見事に切り取りとっています。

画像:優秀賞「里山の初夏」

第5回優秀賞 岩手県一関市長賞
「里山の初夏」
高橋 弘 さん(岩手県花巻市)

【講評】写真家 小松ひとみ 氏

たくさんの言葉で「すごい棚田なんです」と力説するよりも、この一枚の写真を見せる方が絶対に説得力がある。写真にはそんな力があると再認識させていただいた作品です。季節感のある紫陽花を手前に配し、林越しに見える奥の霞んだ山並みを入れたことにより、奥行き感が生まれました。小雨まじりの天候の選択も紫陽花にはぴったりでしたね。後世に伝えたい素晴らしい棚田の景色、これからも四季折々の作品を見せていただきたいものです。

画像:優秀賞「朝焼けに染まる湿原」

第5回優秀賞 秋田県東成瀬村長賞
「朝焼けに染まる湿原」
藤江 健一 さん(岩手県一関市)

【講評】写真家 小松ひとみ 氏

見事な朝焼けのイワカガミ湿原です。選者も何度も撮影に訪れましたが、残念ながらこんな素晴らしい朝焼けには巡り会ったことはありません。赤く染まった空に心が奪われそうな場面ですが、水辺に映り込んだ朝焼けを大胆に入れこみ、湿原の映り込みを主題としています。朝焼けの事象に惑わされることなく、冷静沈着に自分なりの目線で見事に作画したあたり、かなりの写真巧者と拝察致しました。きっと何度も通い挑戦されたのでしょう。湿原の美しさを表現したいという作者の強い気持ちが、必然の景色を呼びこんだように思いました。

佳作 5点

画像:佳作「栗駒秋一景」

「栗駒秋一景」
三浦 明彦 さん(岩手県一関市)

【講評】写真家 小松ひとみ 氏
不思議な魅力でぐっと引き寄せられた作品です。紅葉の素晴らしい作品が数多く並んだ中で、静かな色調とたくさんの中間色で占められた画面には強烈な原色も派手さもないのですが、日常の栗駒山の佇まいが凝縮され写し出されているように見えました。本来のみちのく、栗駒山を思い浮かべたとき、もしかしたらこんな上質な色合いになるのではないでしょうか。手前の樹々の配置、樹海と山並みの配列、空の階調の表現など技術的にもすばらしいと思いました。

画像:佳作「春」

「春」
高橋 澄子 さん(秋田県湯沢市)

【講評】写真家 小松ひとみ 氏
「おしら様の枝垂桜」は樹形も見事な一本桜ですが、まわりに人工物や電線があって撮りにくいカメラマン泣かせの桜と記憶しています。しかし、作者はそれを逆手に取リました。手前に作物の苗を放射状に配し、奥には少し芽吹き始めた山林、邪魔だと思いがちな赤い屋根の民家までを味方につけて画面構成をしています。これがいいアクセントとなりました。桜を主題とせず、見事に里山の春を表現している一枚に脱帽です。

画像:佳作「里山の春」

「里山の春」
由利 嘉智彦 さん(秋田県湯沢市)

【講評】写真家 小松ひとみ 氏
桜の下での弁当開きの様子に子どもの頃の懐かしい気持ちが揺り動かされた気分でした。見過ごしてしまいがちな景色によくぞカメラを向けてくれましたね。春ののどかな空気感と共に、見るものに暖かな気持ちを送り届けてくれる一枚です。背景には稲庭城を入れこみ画面を作り上げたため、今回のコンテストのイメージにピッタリの作品となりました。写真は引き算も大事ですが、時には自分の思いを伝えるために足し算も大切ですね。

画像:佳作「不動の滝秋景」

「不動の滝秋景」
佐藤 善治 さん(宮城県石巻市)

【講評】写真家 小松ひとみ 氏
紅葉が美しく、風もなく、晴れて空が青い、まさに「天高く…」という気持ちのいい秋を、素直に表現している風景写真の王道ともいえる一枚です。秋にこの三拍子の条件が揃う時というのは一年で一回!といっても過言ではないでしょう。台風が通過した年などはお目にかかれない景色です。加えて、滝壺のライン、滝の上部のライン、紅葉と空のV字ライン,これらすべてが黄金比率となっていて秋のすがすがしさを見事に表現しています。気持ちのいい大好きな作品です。

画像:佳作「伊豆沼暮情」

「伊豆沼暮情」
高橋 貞勝 さん(岩手県奥州市)

【講評】写真家 小松ひとみ 氏
夕焼けの中、たくさんの鳥たちが伊豆沼に帰ってくるシーンはそれだけでも美しいものですが、その鳥たちを見守り撮影している家族をとらえています。なんとも微笑ましい瞬間です。伊豆沼の写真で、こうして家族と絡めてとらえた作品はあまり拝見したことがないように思います。空のスペースと周りの木立の黒のスペースの画面配分の絶妙さ、家族が全員シルエットになりながら、しっかりと動きが表現されていることなど巧さが光ります。自然が身近であり、人と共生していることも想像させてくれました。

審査員

写真家 小松 ひとみ 氏
 1956年仙北市(旧角館町)生まれ。角館南高校卒業後、株式会社ユニチカでバスケットボール部に所属、選手・コーチ・マネージャーとして活躍。80年日本代表マネージャーとして世界選手権出場。83年フォトライブラリー「黎明舎」勤務。95年写真集『光彩』上梓。99年小松ひとみ写真事務所設立。北東北の四季や花をテーマとした風景写真を中心に、温泉、職人など幅広く撮影。各種雑誌、カレンダーなどで風景写真を中心に作品を発表している秋田県を代表する写真家。仙北市(旧角館町)在住

応募作品

101点

発表・表彰式

  • 発表
    2016年(平成28年)3月中に入賞者へ直接通知するほか、平成28年3月1日(火曜日)発行『広報くりはら』及び栗原市公式ウェブサイトへ掲載、報道機関への情報提供などで周知します
  • 表彰式
    2016年(平成28年)3月中旬に一関市にて表彰式を行う予定です。 

問い合わせ先

 第5回「ゆっくりひとめぐり」栗駒山麓観光写真コンクール事務局
 〒021-8501 岩手県一関市竹山町7番2号 一関市商工労働部 商業観光課
 電話:0191-21-8413
 主催:「ゆっくりひとめぐり栗駒山麓連絡会議」
    (秋田県湯沢市、宮城県栗原市、岩手県一関市、秋田県東成瀬村)