受賞作品を、原文のまま掲載します。
 本文に読みがなを〔 〕書きで添え、編集の都合上、すべて横書きにしています。
 ※ 敬称略

原文はこちら

 だるい。
 すごくつかれた。
 頭の中はその言葉で埋まる。
 自転車に乗るのは好きだが学校から帰って
くるのに足を棒にするのはごめんだ。
 はやく帰りたい。
 そう思うが今私の前に立ちはだかる坂は斜
めに体を曲げ私を見下ろしている。
 まあ坂だからしょうがないが。
 この坂を登るとかなり時間がかかる上相当
つかれる。
 さけたいところだがこれを倒さないと我が家に帰ることはできない。
 …しょうがない。
 私はペダルをふみなおし強く力を入れる。
 つかれてきたが私はやっと奴の頭まで来た。
 もう少しか…と思ったところでペダルが軽
くなった。
 どうやら倒したみたいだ。
 奴は私に頭を下げる。
 私は足をペダルからはずす。
 つかれてはいるがいい気分だった。
 奴の足まで行くと私は足をペダルにおく。
 ここからはこの勢いでいけばいい。
 幸い青と赤と黄の三つ目の化け物は私を止
めようとしなかった。
 私は田んぼに挟まれた道を進み小さな花だ
んを見た。
 化け物ではない赤白黄の花達は風にゆれ笑
いあっていように見えた。
 ああいいな。
 ぼんやり眺めてたら…
 新たな敵が!
 先程のよりも長くてくねった坂だ。
 軟体なのかお前は!
 もうここまでか…。
 私は白旗を上げるみたいに武器を手放した。