受賞作品を、原文のまま掲載します。
 本文に読みがなを〔 〕書きで添え、編集の都合上、すべて横書きにしています。
 ※ 敬称略

原文はこちら

道の上を湯気が這っている
放っておいたら
巨大にふくれあがりそうに
それは居座る
遠く離れた広場に 草が茂っている
今にも蒸し上がりそうで
活動する気も失った雑草が
一面を包んでいる

少年がいた
彼は草を抜き続けている
自分の持つ力を全て
そこに集中させるかのように
体を動かしている
汗がしたたり、地面に吸い込まれる
葉のざわめきが宙になびいている

そこにはない炎が そこにはあった 

心のない広場に
明かりが灯り
風がすり抜け、花が咲いた
その真ん中に少年は いた

やがて その炎は広場を飛び出し
辺りを包み込んだ
皆が動き出した
雲は立ち消えた
ついには熱を吹き飛ばした

少年は草をむしり続けている